全国高校サッカー選手権県予選 柳ケ浦vs大分 決勝プレビュー 【大分県】

全国高校サッカー選手権県予選の決勝が、19日にある。県高校新人大会で優勝した柳ケ浦と連覇を狙う大分が対戦する。両チームの対戦成績は、新チームになってからの公式戦では1勝1敗と五分だ。どちらに勝利の女神が微笑むのか、試合の見どころを探った。

過去2戦を振り返ると、2月の県高校新人大会では柳ケ浦が1-0で勝利し、6月の県高校総体では大分が1-0と僅差の試合を制している。ひと夏を超えて若干のメンバーの入れ替えはあるものの、チームのベース自体は変わっておらず、戦い方もほぼ同じ。したがって、大分がボールを保持してチャンスを狙い、柳ケ浦がしっかりと守備陣形を整え、手数をかけずに相手最終ラインの裏を狙う、そんな展開になることが予想される。

大分の攻撃パターンは、清水和(2年)が起点となって中盤の森崎翔愛(3年)、重田啓佑(同)がショートパスを交換し、両サイドのウイングに展開する。準決勝では右ウイングの中村勇太(3年)の単独突破から決定機をつくる場面が多かったが、そこに中盤の選手がフォローして二次、三次的な攻撃を生み出し、どれだけ攻撃のリズムをつくれるかがポイントとなる。そして柳ケ浦がそれをどう止めるのか。決勝の見どころはそこに集約されると言ってもいい。

サイド攻撃からチャンスをつくる大分

その意味でも、柳ケ浦がどのような中盤の陣形で挑むかが、一つのポイントになるだろう。有門寿監督はゲームメーカーである橋本琉唯(3年)と誰を中盤で組ませるのか。運動量があり、守備的な選手の起用を視野に入れながら、大分のサイドアタックを警戒するだろう。

中盤を引き締めてスペースを消し、1、2本のパスで前がかりになった大分の最終ラインの裏を突きたい柳ケ浦にとって、トップ下の八尋馳(2年)の好調は心強い。準決勝では、大分と似たようなスタイルの大分鶴崎に対し、粘り強く守り、カウンターから八尋、橋本が得点している。有門監督は「決勝もチャンスは少ないと思うが、一本のパスから得点に結びつけることができる」と手応えを感じている。

拮抗(きっこう)した試合で勝敗を分けるのは、局面を打開する個の力。その意味ではサイドに突破力の優れた選手がいる大分と中央にいる柳ケ浦とでは対照的。どちらにしても、先制点を奪ったチームが優勢であることは間違いない。緊迫した試合展開が楽しめそうだ。

手堅い守備で無失点を目指す柳ケ浦

(柚野真也)

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