【2023年12月1日~20日「越後村上鮭塩引き街道」開催!】村上の伝統食・塩引き鮭が下がる景色をご覧ください

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「塩引き鮭」とは

古くから鮭漁で栄えてきた新潟県村上市には、百を超える鮭料理があるといわれています。中でも塩引き鮭はその筆頭で、普段の食事はもちろん、大みそかや祭りの日といったハレの日には必ず食べる伝統的な鮭料理です。

かつてはどの家でも作られていた塩引き鮭ですが、今は個人で作る人が少なくなっています。それでも鮭の遡上が始まり、新鮮なオス鮭が1匹丸ごと販売されるようになると、何匹も購入して、その家に伝わるレシピで塩引き鮭を作り、遠くにいる家族や親戚、友人などに自家製の塩引き鮭を贈るという人もまだいらっしゃいます。

「塩引き鮭」が出来るまで

かつては各家で作られ、食されてきた塩引き鮭はその作り方もさまざま。各家ごとにレシピがあるといっても過言ではありません。その中でも基本的な工程を簡単に紹介します。

調理に用いる鮭はオス鮭を使います。鮭の体表やヒレのぬめりを丁寧に取り除き、腹を切って内臓や血を丹念に取り除いた後、鮭の重さの約10%の塩をまんべんなくすり込み(=塩を引く)ます。城下町である村上では、切腹を忌み嫌い、鮭の腹を切る際にも一部をつないだままにする「止め腹」という手法を用いています。

塩をすり込んだ鮭は1週間ほど寝かせ、流水で塩出しをしたら、いよいよ“干し”の工程です。

塩抜きした鮭の尾を荒縄で縛り、体内までよく乾くよう腹を切った部分に割り箸をかませ、軒下の風通しのいいところに約2週間ほど吊るします。吊るす際、鮭の頭を下にするのも塩引き鮭の特徴の一つ。これも城下で「首吊り」が嫌われていたことに由来するといわれています。

塩引き鮭を作る工程の中で、特に重要だといわれているのが“干し”です。塩引き鮭を作る11月下旬~12月にかけて、村上市内には日本海からの湿り気を帯びた寒風が吹き抜けます。この寒風が干された鮭の身の発酵・熟成を促し、おいしい塩引き鮭になるといわれています。

イベントの楽しみ方

今でもノスタルジックな家並みが続く、新潟県村上市庄内町~小町坂の商店・民家の軒下に塩引き鮭を吊り下げます。たくさんの塩引き鮭が連なるように下がる光景は、村上市の風物詩の一つです。塩引き鮭の特徴である「止め腹」や頭を下にして吊るといった部分にもご注目ください。

「越後村上鮭塩引き街道」会場周辺には、鮭加工品を販売する店や鮭料理の専門店もあるので、見学後も鮭づくしの旅をお楽しみいただけます。また、城下町・村上の風情が感じられる名所「黒塀通り」や村上城跡も近いので、このイベントを起点にして、村上での観光をお楽しみください。

越後村上鮭塩引き街道

開催期間:2023年12月1日(金)~12月20日(水)※予定

開催場所:新潟県村上市庄内町~小町坂周辺

注意事項:見学は自由ですが、住宅や商店が並ぶ通りなので地域住民へのご配慮をお願いいたします

公式サイト:https://www.sake3.com/event/7250

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