【マイルCS/データ攻略】GI馬2頭に”とてつもない明暗” 「100 or 0%」で遠のく勝利

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今週は京都競馬場でマイルCS(芝1600m)が行われる。春のマイル王・ソングライン不在で混戦ムード漂う一戦。前年の勝ち馬セリフォスとこの路線の上位馬シュネルマイスター、前哨戦の富士S勝ち馬ナミュールあたりが人気の中心となりそうだ。

ここでは、過去10年データから京都開催の2010~19年を対象に、シュネルマイスターセリフォスにフォーカスした「100 or 0%」データを取り上げる。

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■シュネルマイスターに該当の10年連続馬券内データ

3歳時からマイル路線の中心馬として安定したパフォーマンスを続けるシュネルマイスター。近2走はいずれも3着と連対圏まで届いておらず、テンにいけない脚質も顕著になりつつあるが、データ面での好材料は存在する。

・京都芝外回り1600mの連対歴あり→10年すべて馬券内

エイシンアポロンやダノンシャーク、ミッキーアイルといった歴代勝ち馬もこれに該当。京都外回りは京都外回り巧者を狙う、というセオリー通りの傾向が出ていたのだ。

なお、京都競馬場は2020年11月から大規模改修工事に入り、今年の4月まで開催が行われることはなかった。必然的に京都外回り経験馬の数は減るわけだが、シュネルマイスターは京都外回り芝1600mのマイラーズCを勝利。出走馬中唯一の当舞台連対馬である以上、実質的に”100%該当馬”と捉えられるだろう。約2年半ぶりのGI獲りに向けて、機は熟した。

■前年覇者セリフォスにのしかかる【0.1.0.10】のマイナス材料

その一方で、危険な人気馬の可能性が浮上してしまうのがディフェンディング・チャンピオンのセリフォスだ。今年6月の安田記念ではシュネルマイスターに先着。京都芝外回りの当レースを制した父ダイワメジャーの再現を期待したくなるが……ここではその血統が足かせとなる可能性が浮上してしまう。

・ダイワメジャー産駒の成績【0.1.0.10】

11度の出走機会で馬券内はわずか一度。カレンブラックヒル、コパノリチャード、レーヌミノルなどGI馬も多数出走したが、1頭たりとも勝利に手は届いていないのだ。

ダイワメジャー産駒について補足すると、京都芝外回り1600m重賞での勝利自体がたったの一度しかない(2018年デイリー杯2歳Sのアドマイヤマーズ)。セリフォスが当舞台を経験していたら話は変わっていたのかもしれないが、経験値の部分で不安要素が発生しているのは事実だ。産駒にとって鬼門の舞台で勝ち切るのためのハードルは決して低くない。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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