【マイルCS/データ攻略】「80 or 0%」該当は富士S組2頭 「偶然では済まされない相性」

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今週は京都競馬場でマイルCS(芝1600m)が行われる。ディフェンディング・チャンピオンのセリフォスに対するは、春に同馬と覇を競ったシュネルマイスター。毎日王冠を制した3歳馬エルトンバローズも虎視眈々とマイル王の座を狙う。

ここでは、過去10年データから京都開催の2010~19年を対象に、ナミュールレッドモンレーヴにフォーカスした「80 or 0%」データを取り上げる。

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■ナミュールの追い風となる【2.1.1.1】

前走富士Sで2勝目をマーク。2歳時から世代トップクラスと称されたポテンシャルが花開こうとしているのがナミュールだ。施行時期こそ違えど、当時の勝ちタイム1分31秒4は今年の安田記念勝利時のソングラインと同じ。久しぶりの右回りやローテーションが懸念されている今回だが、以下データをご覧いただければ印象は一変するはずだ。

・前走東京芝1600mを4角3番手以下から勝利【2.1.1.1】

“80%データ”に該当。5番人気1着エイシンアポロンや4番人気1着モーリスなど配当妙味もまずまずで、前走東京芝1600m×4角3番手以下勝ち馬の相性はもはや偶然で済まされるものではない。

この馬の父ハービンジャーは3年連続で当レース馬券内のペルシアンナイトを輩出。京都芝外回りは未経験も、潜在的な適性は秘めているとの判断も可能だ。8度目のGI挑戦で悲願の頂点へ。そのタイミングは今回なのかもしれない。

■レッドモンレーヴにまさかの【0.0.0.20】

ナミュールとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがレッドモンレーヴ。3走前の京王杯SCで重賞初制覇を飾ると、前走富士Sは上がり3F最速の脚を繰り出し2着。メキメキと力をつけている4歳馬だが、今回はこれまでの経験値が能力発揮の支障となりそうだ。

・前走2着以下かつGI連対歴のない関東馬【0.0.0.20】

該当馬すべてが馬券外の“0%データ”に抵触。3番人気に支持されたファイナルフォーム、C.ルメール騎乗のレイエンダも馬券外と目も当てられない成績に終わってしまっている。GI実績を持たない関東馬にとって鬼門と言えよう。

この馬が挙げた5勝のうち、3勝が自身の上がり3F33秒台前半以内。東京競馬場向きの切れ味を有している反面、同競馬場との比較で上がりのかかる秋の京都芝外回りへの適性にも疑問が残る。確かな能力を認めつつ、GIでの馬券内突入は至難の業か。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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