アンドレ3000、ソロ・デビューALでラップしなかった理由を語る

取材に消極的なアンドレ3000が、自身のソロ・デビュー・アルバム『New Blue Sun』をできるだけ多くの人に聴いてもらいたいという思いから、居心地の良い領域から出てインタビューに応じている。米NPRと新作について語った後、彼は2023年11月16日に公開された米GQ初のビデオ・カバー・ストーリーに登場し、新作でラップしなかった理由などについて話した。

アンドレ3000は、「最新の、フレッシュな、若い、そしてオールドスクールなプロデューサーたちと仕事をしてきた。いつもビートをもらっている。いつも書こうとしている」と述べつつ、浮かぶのがラップではないと明かした。「今でさえ、人から“なんだよ、あいつはラップを溜め込んでるんだろう”とか、“ラップを人質に取っているだけだ”と思われている。俺はそんなラップは持っていない。実際に感じるのは……俺がラップするのは嘘くさいと感じることがある。そういう風に話したいことがないからだ」と彼は述べている。

そして、「俺は48歳だ。年齢がラップの内容を決めるとは言わないけど、ある意味そうなんだ。俺の人生で起こったことで何を話せばいいんだ?“大腸内視鏡検査を受けに行かなきゃ”とか。何についてラップしてるんだ?“視力が落ちてきた”とか。クールな言い方は見つかるだろうけど」と続けている。

アンドレはまた、アウトキャストでコンビを組んでいたビッグ・ボーイとの関係が険悪なのではないかという噂についても触れた。1998年の『アクエミナイ』が25周年、2003年の【グラミー賞】受賞アルバム『スピーカーボックス/ザ・ラヴ・ビロウ』が20周年と、今年はアウトキャストにとって二つの重要なアニバーサリーにあたるが、ヒップホップ50周年という節目の年に二人が自分たちの周年記念について公には触れていない。二人は2014年に再結成ツアーを行い、【コーチェラ】のヘッドライナーも務めた。アンドレによると、彼は当時最良の自分ではなかったようで、故プリンスとの会話が残りのツアーの流れを変えてくれたと明かしている。

アウトキャストの【コーチェラ】パフォーマンスを舞台袖で見ていた故プリンスから、公演後に電話がかかってきて驚いたというアンドレだが、「お前の問題が何かわかるか?」と言われ、「やばい」と思ったそうだ。するとプリンスは、「お前らがどれだけビッグなのか気付いてないんだよ」と言い、「自分が誰なのか、人々に思い出させないと」と続けた。

そしてビッグ・ボーイとの関係についてアンドレは、「俺とビッグ・ボーイにはある種の相性があったし、ある。人々はその相性が時間が経つにつれて変化することを理解していないんだと思う」と話している。

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