【MLB】ブレーブスとWソックスがトレード発表 計6人が絡む大規模な動きに

写真:ソロカはかつて13勝を挙げた経験も

日本時間17日、ブレーブスとホワイトソックスの間でトレードが成立したことが明らかになった。両球団の公式X(旧Twitter)から公式発表された。ブレーブスは左の中継ぎ投手であるアーロン・バマーを獲得。ホワイトソックスは見返りとしてマイケル・ソロカら5投手を受け取っている。

トレードに関係した選手と2023年シーズンの成績は以下の通り。

【ブレーブス獲得】
アーロン・バマー(左中継ぎ)61試合58 1/3イニング 防御率6.79 78三振 36四球

【ホワイトソックス獲得】
マイケル・ソロカ(右先発)7試合32 1/3イニング 防御率6.40 29三振 12四球
ジャレッド・シュスター(左先発)11試合 52 2/3イニング 防御率5.81 30三振 26四球
ニッキ―・ロペス(内野手)94試合 225打席 打率.231 1本塁打 25打点 6盗塁 OPS.633
ブレイデン・シューメイク(内野手)(マイナー)122試合 474打席 打率.234 16本塁打 69打点 27盗塁 OPS.705
ライリー・ゴ―ウェンス(右投手)(マイナー)5試合 15 2/3イニング 防御率1.15 22奪三振 6四球

ブレーブスが獲得したバマーは左の救援投手。今季は61試合で防御率6.79と振るわなかったが、Fangraphs算出の総合指標WARは0.8。近年とそれほど変わらない貢献を見せていたようだ。マイナーオプションこそないものの、2026年までの球団に選択権がある契約となっており3年間保有できる点がブレーブスに魅力的だったのだろう。

一方、ホワイトソックスは大量5選手を受け取ったが、このうちソロカとロペスはともにノンテンダーFAとなる公算が高かった選手だ。また、シューメイクは今季MLBに昇格したもののわずか4打席で無安打、シュスターも投手不足の影響で出番こそ得たもののMLBの壁に跳ね返されており、年齢的にも戦力となる可能性は低かった。

つまり、5人中4人は常勝軍団のブレーブスにあって来季も40人枠に残れる可能性が非常に低い選手であったということになる。

MLBはNPBに比べて選手枠、特にMLBに出場できる枠の縛りが非常に厳しい。一度40人枠に入った選手を外すためには一度ウェーバーにかけなければならず、その際にほかのチームに無償で獲得されてしまうリスクが生じる。また、ノンテンダーFAとなった選手は当然ながらチームになにか補償を残すことはない。

他球団からすればこのような選手たちに大きな対価を出してトレードをするメリットはない。なぜなら、待っていればそのうちFA、あるいはウェーバーにかけられて無償で獲得する機会ができるからだ。

1人、それも中継ぎ投手に5人も選手を出すなんて出しすぎではないかと感じるかもしれないが、このうち4人はブレーブスからすればそもそも来季保有できる可能性が低い選手であり、トレードの対価としても非常に価値が低かった選手だ。

ブレーブスからすれば、実質マイナーリーガー1人で中継ぎ投手を獲得できた上、制約の大きい40人枠を3枠も開けることができたという意味で非常に美味しいトレードとなった。

一方、ホワイトソックスが損をしたかというとそうではない。ブレーブスからすれば戦力になるか怪しくとも、再建期に入り戦力の整備を進める必要があるホワイトソックスからすればロペスやソロカ、シュスターらMLB経験者は十分に戦力だ。

特にソロカとロペスはかつてMLBでレギュラーだった選手。彼らが復活すればもちろん大きな利益になるし、上手くいかなくとも多くの対価を出したわけではないのだから痛手にはならない。

総じて見ると、両チームに大きなメリットがあるトレードとなっていると言えるだろう。

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