シナーが予選3連勝でイタリア人初の決勝トーナメント進出「観客がたくさんの力を与えてくれる」[Nitto ATPファイナルズ]

シナーが母国イタリアで躍動

男子ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ)のラウンドロビン、グリーン・グループ第3戦が現地16日に行われ、2連勝を飾っているヤニック・シナー(イタリア/世界ランク4位)が、ホルガー・ルーネ(デンマーク/同8位)を6-2、5-7、6-4で下し、全勝で決勝トーナメント進出を果たした。

2021年大会以来、2年ぶりのツアー最終戦出場を果たしたシナーは、第1戦でステファノス・チチパス(ギリシャ/同6位)を6-4、6-4で破ると、第2戦では今大会を6度制しているノバク・ジョコビッチ(セルビア/同1位)を3時間9分の激闘の末に7-6、6-7(5)、7-6(2)で破り、4度目の対戦にして初勝利を挙げた。

ラウンドロビン首位通過へ第3戦は、第2戦のジョコビッチ戦に続いて、過去2戦で勝利を挙げることができていないルーネとの対戦となった。

「ノバクにいい形で勝ってリセットし、ホルガーとのタフな戦いに備えてゼロからスタートすることが大事だった」とシナーは、試合開始からエンジン全開。ネットに詰めてくるルーネのプレッシャーを跳ねのけて2度のブレークに成功し4-0とする。自身のサービスゲームも危なげなくキープし、6-2で第1セットを取りきった。

しかし、互いにサービスキープする締まった展開の第2セットでは腰を痛めた仕草を見せ、第12ゲームでブレークを許して5-7でセットを落としてしまう。嫌な流れが漂ったが、最終セットは第9ゲームでミスを誘って0-40のチャンスを生かし、最後はローボレーを決めてブレーク。続く自身のサービスゲームをきっちりキープして、ラウンドロビンを3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。なお、イタリア人選手の決勝トーナメント進出はシナーが初めてとなった。

母国イタリアのファンの前でタフマッチを制したシナーは、「特別なことだ。プレッシャーの方が大きいのは確かだけど、ポジティブなものだ。僕がコートで苦しいんでいる時に、観客はたくさんの力を与えてくれる」と声援が後押しになるとコメント。「あと2試合戦えるチャンスがある。この調子でプレーできればいい」とした。

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