【マイルCS/追い切り診断】ソウルラッシュに並ぶ高評価の実績馬 「実戦に直結する稽古内容」

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■セリフォス

【中間調整】昨秋、3歳にしてマイルCSを制覇。今年前半はドバイターフ5着、安田記念では2着に入る活躍を見せた。今年後半の最大目標はマイルCSで、本来は昨年同様富士Sから始動の予定だったが、異例の酷暑に夏負けとなり富士Sをパス。ぶっつけでマイルCSへ進むこととなった。

幸い牧場で順調に体調は戻ったようで、10月11日と早い時期に栗東へ戻っている。慎重に様子を見られ、初時計は18日の坂路単走でラスト2F12秒4-12秒2(馬なり)とさっそく軽快に動いた。1週前追いのCW単走には川田騎手が騎乗し、序盤から強い前進気勢を見せて進むとラストでも勢いを失うどころが、仕掛けに対してダイナミックに反応して1F10秒7(一杯)と圧巻の伸びを見せた。

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【最終追い切り】レース当週も川田騎手が騎乗して、CWで併せ馬。古馬2勝クラスを追走、直線入り口で取り付いていく。相手も稽古駆けするタイプで懸命に追われて伸びてきたが、これを問題にせずあっさり置き去りに。結局馬なりのままグングン伸び、5馬身差の先着を果たした。

【見解】夏負けで前哨戦をパスしたという経緯から状態面に関して疑ってかかりたくなるところだが、じっくり休養期間を取って立て直したことで、むしろ心身ともにパワフルさが増してきたような印象さえある。1週前は相当速いペースで入ったが、川田騎手が体調面、脚元のそれぞれでまったく問題ないことを確信したようで、ラストでも実戦ばりの負荷を掛けたか。このひと追いでほぼ仕上がり、最終追いは相手を抜く感覚の再確認、抜け出してからの気持ちの維持と、実戦に直結する稽古内容をこなせたのも好感。連覇の可能性は十分だ。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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