【マイルCS/追い切り診断】シュネルマイスターを上回る「S」の最高評価 「V意識の絶好気配」

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■エルトンバローズ

【中間調整】未勝利勝ちから3連勝でラジオNIKKEI賞を勝利。秋は菊花賞路線に進まず、初戦は古馬相手の毎日王冠へ果敢にチャレンジした。国内一線級の相手関係ではあったが、好位4番手と絶好のポジションで競馬を進めると、直線ではやや窮屈になりながらもグイッとこじ開けて伸び、ソングライン、シュネルマイスターら国内一線級の追撃を凌ぎ先頭ゴールインを果たした。

その後短期放牧先で目立った反動はなく、この馬にとってより走りやすい右回りのビッグレースということマイルCSでGI初挑戦することが正式決定。10月下旬に栗東へ戻り、29日に坂路15-15を出したのが中間の初時計。1週前のCW併せ馬でレースが近いこと知らせるべく強い負荷を掛けたが、ここで先行2頭をあっさり抜き去っての最先着を果たし、時計も6F79秒2(強め)と自己ベスト更新の数字を叩き出した。

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【最終追い切り】前走同様、西村淳騎手が騎乗し坂路単走での最終調整。走路はかなり混雑していたが、序盤から重心を沈めて自分の走りに集中する。ラストはまったくの馬なりのまま体を大きく使って鋭く切れた。精神面、体調面それぞれでピークの状態にありそう。

【見解】これまで関西圏はCWで最終追い、関東遠征の場合は坂路で最終追いとしていたが、近2走の重賞連勝から坂路最終追いがベストと判断され、今回は関西圏でも坂路最終追いとしてきた。かなり混雑する時間帯を敢えて選んだようで、走りにくい状況でも闘志を内に秘め集中する感覚を涵養。ラストの柔軟な身のこなしにめ目を見張るものがあった。5連勝でのGI勝ちを十分に意識できる絶好の気配。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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