【マイルCS/追い切り診断】セリフォスに並ぶ高評価でGI奪取へ 「この相手でも勝ち負け期待」

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■ソウルラッシュ

【中間調整】昨年のマイラーズCで重賞初制覇。その後マイル重賞戦線の常連として上位争いを続けている。今年の秋初戦は京王杯AH。トップハンデ59キロを課せられた厳しい状況ながら、正攻法の立ち回りから先に抜け出し押し切りを図るウイングレーテストを測ったように差し切り、重賞2勝目を挙げた。GIIIで力の違いをしっかり示したようなレースだった。

その後、昨年4着に終わったマイルCSに進み悲願GI獲りを狙うのは当初からの予定通り。短期放牧を挟んで10月24日に栗東へ戻り、26日にさっそくゼッフィーロ(11月5日のアルゼンチン共和国杯で1着)と併せられ先着するなど、緩みはまったく感じられない。1週前は池江厩舎の仕上げ巧者・水口騎手が騎乗し、CWで3頭併せ。2頭を早めにパスして大きく抜け出してからも意欲的に追われ、1F11秒0(一杯)と秀逸な時計をマークした。

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【最終追い切り】1週前までで負荷は十分に掛かっており、レース当週はJ.モレイラ騎手が感触を確かめる程度の内容だった。坂に入ったあたりで、手前の変換で一瞬ヨレかけたが鞍上がなんなく態勢を立て直し、そこからの伸びは鋭さ満点。併せた準オープン馬を相手にすることなく、あっさりパスして1馬身の先着を果たした。全体時計は平凡ながら、ラストの機敏さは目を惹くものがあった。

【見解】前走も悪くない状態に思えたが、3カ月ぶりの分、あと少しだけ切れを欠いていたような印象もあった。そこを使われての秋2戦目となる今回は前向きさ、心肺能力、そして切れとそれぞれ一気に良化を果たしたような印象。最終追いで見せた鞍上との意思疎通ぶりも上々で、このメンバー相手でも勝ち負けの競馬に期待していい。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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