ブギウギ第7週振りかえり・義理と恋とワテ

歌い踊ることを心から愛するヒロインが、やがて戦後を明るく照らすスター歌手となるまでを描く連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK朝ドラ)。11月18日の放送では、「義理と恋とワテ」と題する第7週(11月13日〜17日放送)を振りかえる。

日帝劇場のステージにて、新曲を熱唱するスズ子(趣里)(C)NHK

■ 旗揚げ公演から1年、スズ子に引き抜き話

東京で新たに創設された「梅丸楽劇団」の旗揚げ公演から1年が経った。大阪から移籍したヒロイン・スズ子(趣里)と後輩の秋山(伊原六花)はすっかり劇団の人気者となり、充実した日々を送る。そんな折、「梅丸少女歌劇団」の林部長(橋本じゅん)が大阪から東京へやってくる。スズ子と秋山、二人のうちどちらかに大阪に戻ってきてほしいのだというのだ。

林部長にとある話をされるスズ子たち。左から、辛島部長(安井順平)、林部長 (橋本じゅん)、スズ子(趣里)、秋山(伊原六花)(C)NHK

しかし、秋山はダンサーの中山史郎(小栗基裕)と恋仲になっており、「スウィングの女王」と称されるようになったスズ子も、新曲のために作曲家の羽鳥(草彅剛)から作詞家の藤村薫(宮本亞門)を紹介された矢先の話だったため、返答は一旦保留となる。

そんな時、思いを寄せている演出家の松永(新納慎也)から内緒の話があると呼び出されたスズ子は、「梅丸」のライバルである「日宝」に一緒に移籍しないかと誘われる。突然の引き抜き話に戸惑うスズ子は、松永に持ち掛けられた話を羽鳥に相談するも、当然大反対される。

■ 義理と恋心の間で揺れるスズ子

新たな活躍の場である「日宝」に惹かれながら、これまで世話になってきた「梅丸」への義理もあり悩むスズ子。その矢先、大阪にいる弟の六郎(黒崎煌代)から手紙が届く。手紙には、六郎が徴兵検査で「甲種合格」となり、「健康で兵隊さんに向いてるって褒められたんやで」という報告が記されており、さらには母・ツヤ(水川あさみ)が体調を崩していることを知らされる。

松永の話に呆然とするスズ子(趣里)(C)NHK

母の不調を知ったスズ子は、治療費のために「梅丸」より高額の報酬を提示する「日宝」への思いを強くする。すると、引き抜きの話を知った「梅丸」の辛島部長(安井順平)が血相を変えて下宿先にやってきて、移籍を阻むため一時的にスズ子を軟禁しようとする。

なんとかその場からは逃げ出すが、梅丸にも日宝にも顔向けができないと思い詰めたスズ子は、松永への告白を決意。しかし、アメリカに恋人を残してきたという松永はスズ子の思いに応えられないという。悲しみに暮れるスズ子だったが、作曲家の羽鳥がいつもと変わらない様子で曲作りに夢中になっている姿を目にし、笑顔を取り戻すのだった。

■ ついに完成した新曲に、スズ子の心が決まる

ついにスズ子のための新曲『センチメンタル・ダイナ』が完成する。しかし、義理を欠いた無責任な行動をしたと自分を責めるスズ子は、自分にはこれ以上歌う資格がないと感じていた。しかし、羽鳥から「僕が聴きたいんだよ」と強く励まされ、改めて羽鳥が作る曲を歌いたいと決意を固める。スズ子は移籍の話を断って「梅丸」にとどまることを決め、大阪で自分を見出してくれた松永とも、互いにエールと感謝を送り、それぞれの道に進むのだった。

笑顔で握手を交わすスズ子(趣里)と松永(新納慎也)(C)NHK

一方、中山からプロポーズを受けていた秋山だったが、男役から娘役への転向を促されたり、自分の好きな服装を押しつけられたりと、中山の自分本位な言動にどこか違和感を感じており、この話を受けていいのか悩んでいた。悩んだ末、自分らしく生きるのを大切にしたい秋山は、プロポーズを断り、自分らしくいられる場所である大阪へと戻ることを決意する。

初めての失恋、そして仲間との別れを経験したスズ子。秋山が旅立つ日に、いよいよ日帝劇場で新曲『センチメンタル・ダイナ』を披露する本番の日を迎える。都会の夜の街並みをイメージした舞台セットの上で、大都会でひとりで生きていくことを決意した強さを歌う、スズ子の歌声が響き渡るのだった・・・。

本作は、戦後「ブギの女王」として一世を風靡した歌手・笠置シヅ子さんをモデルに、歌の才能を開花させて上京したヒロインが、昭和を代表するスター歌手として激動の時代を生き抜いていく物語。

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