「チームが組めることは当たり前じゃない」部員不足にマネージャーとの衝突も…全国高校ラグビー 往年の強豪校の戦い

年末年始の季節の風物詩、全国高校ラグビー大会。18日午後に行われる、愛知県大会の決勝に進出する2校が決まりました。

11日に行われた準決勝、第1試合は中部大春日丘と西陵が対戦。中部大春日丘は10年連続で愛知県大会優勝の強豪校。

対する西陵は創部74年、全国大会40回の出場を誇り、27年前の76回大会で全国制覇を果たしている、歴史と伝統のある名門校。しかし近年は部員不足に悩まされ、去年の新人戦では単独チームとして試合に出られず、愛知県立明和高校と合同チームを組んだほどでした。

(西陵高校ラグビー部 山村凌雅主将)
「西陵高校だけで一つのチームが組めるというのが、当たり前じゃないということがわかったので、このチームを大切にしようと誓いました」

現在は試合のできるメンバーはそろいましたが、ベンチ入りの定員25人には届かず選手は19人。そんなチーム状況の中でこんな事が。

「ちゃんとやってほしい」マネージャーとの衝突

(西陵高校ラグビー部 羽地 由布子マネージャー)
「練習が筋トレだった日に、山田先生(監督)がいらっしゃらなかったのもあって…」

(西陵高校ラグビー部 山村凌雅主将)
「自分たちはしっかりやっているつもりだったが…」

(西陵高校ラグビー部 羽地 由布子マネージャー)
「マネージャーから見て、部員の気が緩んでいるように見えたことがきっかけで、」
(西陵高校ラグビー部 山村凌雅主将)
「『ちゃんとやってほしい』という衝突がありました」

この出来事をきっかけにマネージャーと選手、お互いの思いをぶつけあい、絆を深めた西陵高校。

(西陵高校ラグビー部 山村凌雅主将)
「ひとつひとつの練習から声やプレーで全力を出して、誰から見ても頑張っているなというチームを作ろうと決めました」

(西陵高校ラグビー部 羽地 由布子マネージャー)
「今はもう家族みたいに仲良く、なんでも言いあえるいい関係だなと思っています」

「ベスト4まで連れてきてくれてありがとう」

マネージャーとともに切磋琢磨しながら作り上げたチームで、強豪・中部大春日丘に挑んだ西陵。しかし、中部大春日丘の怒涛の攻撃を止めることができません。それでも最後まであきらめず、懸命にプレーを続けます。

「114対0」 大差で敗れた西陵でしたが。

(西陵高校ラグビー部 羽地 由布子マネージャー)
「最後までひたむきにプレーしようという西陵らしさが出ていて、そこにすごく感動しました。(選手たちに)ベスト4まで連れてきてくれてありがとうと伝えたい」

(西陵高校ラグビー部 山村凌雅主将)
「一度自分たちにだらしない部分があって、指導してもらってそこで変わることができて、ここまで一緒に自分たちのサポートし、一緒についてきてくれてありがとうと言いたい」

そして準決勝のもう一試合は名古屋と同朋が対戦。42対0で名古屋が同朋を圧倒、決勝進出を決めました。

決勝は18日午後2時から。11年連続全国大会出場を目指す中部大春日丘と、3年連続の対戦で初の全国大会出場を目指す名古屋が激突します。

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