円城地区住民 健康状態に差異なし 有害物質問題で吉備中央の外部委

 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物が確認された問題で、有識者でつくる外部委員会は17日、円城地区と他地区の住民の健診結果などを比較分析した結果、成人や胎児の健康状態に差異がなかったことを明らかにした。

 同日、町賀陽庁舎で開かれた「町健康影響対策委員会」の初会合で、町から比較分析の依頼を受けた岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が報告した。

 頼藤教授によると、2022年度特定健診の結果から、同化合物の影響が懸念される脂質や肝機能を円城地区107人と他地区792人で比べた結果、ほぼ差がなかった。23年9月から過去10年間の早産・低出生体重児の出生割合も同様で「健康に影響があるとは言えない」と述べた。

 対策委は医師や県職員ら9人で構成し、健康への影響や対策について検討する。会合では山本雅則町長が委員を委嘱。委員長に頼藤教授が選ばれた。23年度内の意見書提出を目指す。

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