習バイデン会談で20項目の合意

習近平・国家主席とジョー・バイデン米大統領は香港時間11月16日早朝、米サンフランシスコで4時間会談し、ハイレベル軍事対話の再開、麻薬対策作業部会の設立など20以上の項目で合意に達した。17日付香港各紙によると、合意内容には人工知能(AI)対話機構の導入や航空便の大幅な増便などを掲げているが、台湾問題や科学技術管理制度については双方で意見が異なった。習主席は「米国は台湾への武器供与をやめ、中国の平和的統一を支持すべきだ」と述べ、中国の科学技術の抑圧は中国人民の発展の権利を奪うと付け加えた。バイデン大統領は会談後、競争が紛争にならないようにすることが会談の目的であり、「我々は真の進歩を遂げた」と述べた。

台湾政治大学東アジア研究所の特別教授、王信賢氏は習主席の訪米について、コンセンサスは得られたものの戦略的競争の本質は変わっていないと指摘。中国の王毅・外相は会談後、「両首脳は包括的で踏み込んだ良好な議論ができた。中米関係の信頼を高め、疑念を払拭し、相違点を管理し、協力を拡大する上で重要な会談だった」と述べた。

会談は現地時間午前11時、フィローリ・エステートで開催され、主催者のバイデン大統領が先に到着し、続いて習主席とともに登場し、カメラに向かって手を振り、会議室に入って1年ぶりの会談となった。米国側にはブリンケン国務長官、イエレン財務長官、ライモンド商務長官などがいる。会談後は昼食会を開き、総所要時間は約4時間と、昨年のバリでの会談(3時間)を上回った。

この1年、中米関係は台湾、南シナ海、経済貿易問題などでトラブルが続き、一時は「気球事件」などで緊張状態にあった。習主席は会談で「双方はお互いの根本的な原則を理解し、トラブルを引き起こしたり、境界線を越えたりせず、より多く意思疎通を図り、より多くの対話をし、より多くの議論を行い、意見の相違や事故に冷静に対処しなければならない」と強調。米国は「台湾独立」を支持しないという立場を具体的な行動で示し、台湾への武器供与をやめ、中国の平和的統一を支持すべきであるとし、「中国は最終的には統一される。必然的に統一する」と述べた。注目に値することとして、中国と米国の元首間の過去の会談では、主に「台湾独立」への反対を強調していたが、同時に「統一」も強調したのはまれである。また「台湾を武装させる」という表現で米国の台湾への武器売却を形容したことは語気を強めたといえる。 ボイス・オブ・アメリカは、習主席が会談で「中国が2027年か2035年に軍事行動を計画しているとの米国からのさまざまな報告があるが、そのような計画は全くない」と述べたことを米当局者の話として伝えた。バイデン大統領は会談で「一つの中国」政策は変わらないと繰り返し述べた。

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