格下マルタ相手に省エネモードのイングランドが順当勝利! ケインが相変わらずの決定力を発揮【ユーロ2024予選】

[写真:Getty Images]

ユーロ2024予選グループC第9節のイングランド代表vsマルタ代表が17日に行われ、ホームのイングランドが2-0で勝利した。

先月のインターナショナルマッチウィークでユーロ本大会行きを決めたグループ首位のイングランドは、最下位のマルタとのホームゲームに臨んだ。サウスゲイト監督はテストマッチの意味合いが強いこの一戦に向け、ライスやサカ、ウォーカーをベンチに置いたものの、ケインやフォーデン、ラッシュフォード、マグワイアといった主力を起用した。

先日に逝去したサー・ボビー・チャールトン氏への追悼が行われ、厳かな雰囲気でスタートした試合。開始直後には自陣でのボールロストからテウマにいきなり際どいシュートを打たれたイングランドだが、以降は攻撃時右肩上がりの布陣で相手を押し込むと、意外な形から先制点が生まれる。

8分、グエイからの縦パスを受けたフォーデンがボックス右に持ち込んでマイナスの折り返しを狙うと、DFペペにディフレクトしてゴールに向かったボールをGKがはじき出せず。幸運なオウンゴールでの早い時間帯の先制点となった。

幸先よくリードを手にしたイングランドは、圧倒的にボールを握ってゲームをコントロール。フォーデンや中盤、サイドバックの選手が幾度かポケットを取ってクロスからチャンスを窺う。ただ、最後の精度を欠いてなかなかシュートまで持ち込めず。逆に、相手が狙うカウンターに嵌ってボックス付近で足を振られるなど際どいシーンを作られる。

前半半ばから終盤にかけてもギアが上がらないイングランド。28分にはケインがボックス内でGKと接触して倒れる場面があったが、これはやや厳しい判定ながらシミュレーションを取られてPK獲得とはならず。その後は相手の攻撃を危なげなく凌いだが、シュート2本枠内0本とホームサポーターを沸かせる場面はほぼ作れなかった。

この展開を受けてサウスゲイト監督はハーフタイムで2枚替えを敢行。トモリとギャラガーを下げてウォーカーとサカの主力を同時投入。これでトリッピアーが左サイドバック、フォーデンがインサイドハーフにポジションを移した。

後半はフォーデンを起点に攻撃にリズムが生まれ、前半に比べてボックス付近での仕掛けが目立つイングランド。ただ、最後のところではしっかりと身体を張るマルタの守備を前に追加点が遠い。

61分にはヘンダーソン、直前の接触プレーで少し痛めたラッシュフォードを下げてライスとA代表デビューのパーマーをピッチに送り込む。決定機には至らずも、徐々に崩しの改善と共にフィニッシュの数が増えてきたイングランドは頼れるエースがさすがの決定力を発揮する。

75分、相手陣内でのアレクサンダー=アーノルドのボール奪取からボックス付近でウォーカー、フォーデン、サカとスムーズにパスが繋がると、最後はゴール前でサカの足元へのパスに反応したケインが冷静に右足のダイレクトシュートを左隅へ流し込んだ。

これで勝利をより確実なものとしたスリーライオンズは、直後にもライスの見事なミドルシュートでゴールネットを揺らすが、これはオフサイドポジションでGKの視界を防ぐ形となったケインのオフサイドを取られて取り消しに。

その後はデビュー戦で爪痕を残したいパーマーの積極的な仕掛けやアレクサンダー=アーノルドの強烈なミドルシュートなどで見せ場を作ったイングランドは、2-0のまま試合をクローズ。

格下相手のホームゲームで物足りない内容ながらもきっちり勝ち切ったスリーライオンズが今予選無敗を継続している。

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