“今季イチ”アイアンとかみ合うパット 畑岡奈紗は「迷ってない」

畑岡奈紗は年間女王がかかるシーズン最終戦で首位ターン(撮影/村上航)

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 2日目(17日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

初日首位スタートからゲームを引っ張ってきた畑岡奈紗に終盤、不穏な気配が漂った。アイアンでピンに真っすぐ飛ばしてチャンスを作った15番は2mがそのまま右を抜けてパー。続く16番(パー3)は短い距離をミスして3パットボギーを喫した。

17番(パー5)は左サイドから砲台グリーンへの難しい寄せがオーバー。「寄らなかったですけど、自分の中でアプローチをうまく打てたのが良かった」とひそかにテンションを上げ、3mを決めきった。18番も上って下り、少しフックも入るラインを読み切って7mほどを真ん中から沈めた。「(15、16番の後でも)いまやることは17、18で引き続きできた」と胸を張る2連続バーディで締めくくり、通算14アンダーでアリソン・リーと並ぶ首位をキープした。

ショットの充実ぶりが際立つ(撮影/村上航)

ピンに“かぶる”ようなショットが増えた持ち味のアイアンは「(シーズンで)一番いいと思います」と即答できる充実ぶり。ただ、3週前の「メイバンク選手権」を戦っていた頃には、むしろ違和感を抱えていた。「(インパクトで)手首が立つまではいかないですけど、ロフトがついて当たっちゃう感じがあった」。マレーシア、日本と上位争いを続ける中でも残っていた気持ち悪さが解消したのは今週に入ってから。左手首の折れ方に気を付けることで「しっくり来て、距離も戻ってきた」とうなずく。

グリーン上で変化アリ(撮影/村上航)

直近の試合だった「TOTOジャパンクラシック」では首位スタートの最終日に失速。地元茨城で泣きどころとなったグリーン上では、今週大きな変化もある。これまではキャディのグレッグ・ジョンストンさんと相談しながら読んでいたラインを、ここまで2日間はひたすら一人で見極めて打っている。

信頼する相棒とビッグタイトルを(撮影/村上航)

「ちょっと迷ったら聞こうと思ってるんですけど、そういえば聞いてないですね。あんまり迷ってないからですかね」。初日の23パットに続いて18ホールを29パットにまとめ、手応え十分のアイアンとかみ合ってくれているからこその首位ターン。メンタル的にも落ち着きがうかがえる。

残り2日間もやることは変わらない(撮影/村上航)

この日は同組だった世界ランキング2位のイン・ルオニン(中国)が妹・利安(りあん)さんと同い年(21歳)と聞いて驚いていた。米ツアー7年目の24歳、そろそろ年間女王のビッグタイトルをつかんでもいい頃だ。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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