男性育休取得で奨励金 栃木県、中小企業に10万円 申請は来春まで

栃木県庁

 男性の育児休業を推進しようと、県は17日、男性従業員に育休を取得させた中小企業の事業主に10万円を支給する「とちぎ男性育休推進企業奨励金」の申請受け付けを開始した。対象は過去に育休を取った男性従業員がいない中小企業で、男性が育休を取得しやすい職場環境を実現するきっかけとしてもらうことが狙い。来年3月13日まで申請を受け付ける。

 県は今年8月、「とちぎ少子化対策緊急プロジェクト」を策定し、深刻化する少子化への対策としてさまざまな事業に取り組んでいる。奨励金は同プロジェクトの一環で、支給対象は県内に事業所を構える中小企業の事業主。過去に育休を取得した男性従業員がいないことが前提で、今年10月1日以降に通算5日以上の育休を取得し、来年3月31日までに元の職場などに復帰した男性従業員がいることが要件となる。

 育休相談窓口の設置など育児・介護休業法で定められた育休を取得しやすい雇用環境整備の措置を二つ以上実施していることや、県内関係機関が連携して女性活躍を推進する「とちぎ女性活躍応援団」への登録も求めている。

 同応援団の登録企業には、仕事と育児の両立を実現するための各種施策やセミナー情報がメールで配信される。県労働政策課の担当者は「奨励金を受け取るだけではなく、男性の育休推進に継続して取り組んでもらうことが目的」と説明する。

 申し込みは申請書を宇都宮市宝木本町の「とちぎ男性育休推進企業奨励金事務局」に郵送するか、同事務局ホームページ上の専用フォームから行う。

 県は本年度内に、仕事と子育ての両立支援がテーマのセミナーを開く予定。奨励金の支給と合わせて男性の育休取得を後押しする。

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