家庭環境・性的指向・容姿 それぞれ異なる5人の人生が交差していく “今秋最大の話題作”『正欲』メイキング映像

©︎ 2021 朝井リョウ/新潮社 ©︎ 2023「正欲」製作委員会

朝井リョウによる小説「正欲」を、監督・岸善幸、脚本・港岳彦で、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を迎え映画化した『正欲』が、現在大ヒット上映中。このたび、豪華キャスト陣が登場する貴重な撮影メイキング画像と映像が解禁となった。

傑作か、問題作か。

「第36回東京国際映画祭」で観客賞と最優秀監督賞をダブル受賞するなど、今秋最大の話題作として注目されている本作。家庭環境、性的指向、容姿……様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的な物語を映画化するのは、『あゝ、荒野』(2017)、『前科者』(2022)などを経てその手腕にさらに期待が高まる演出家・岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦。このふたりのタッグにより、いわゆる“当たり前”ではない生活を送る人たちの人生を大胆な演出表現をもって映像として浮かび上がらせ、2023年、日本映画最大の意欲作を誕生させた。

映画を鑑賞した観客からは、「今年観た邦画の中でも屈指の傑作」「思いが溢れて涙が止まらなかった。キャストの皆さん、本当に素晴らしかったです」「苦悩する人物を演じ切った俳優陣が素晴らしく、繋がりの尊さと多数派の視野の狭さを問う秀作だった」「顕在化した深層が溢れ出て、本当に観る前の自分に戻れない」とSNSを中心に絶賛の声が相次いでいる。

検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜(てらいひろき)役に稲垣吾郎。広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅうなつき)役に新垣結衣。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道(ささきよしみち)に磯村勇斗。そして佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(もろはしだいや)、東野絢香は大也と同じ大学に通う神戸八重子(かんべやえこ)を演じている。

本作では、豪華キャスト陣が演じるさまざまに異なる背景を持つ5人のキャラクターたちの関係が、少しずつ交差していく様子が映し出されていく。

新垣結衣、磯村勇斗らの談笑シーンなど貴重なメイキング映像

メイキング映像では、検察官の啓喜役の稲垣や、秘密を共有し合う夏月と佳道を演じた新垣と磯村が、それぞれ岸監督に演出を受ける様子が。風船の膨らませ方について細やかな仕草を提案する稲垣や、セリフの言い方についてニュアンスをすり合わせていく磯村など、現場で岸監督とディスカッションを重ねながら撮影している様子が収録されている。

メガホンを取った岸監督も「この作品ではみなさんとじっくり話しながら作っていくことができ、とても充実した作品になったと思います」とコメントしており、語り甲斐のあるテーマを扱う映画だからこそ、キャスト陣との入念な話し合いが非常に重要だったことを明かしている。

劇中でも印象的な、着衣のままプールに浮かぶ夏月のシーンの裏側では、スタッフたちに囲まれながら撮影に挑む新垣の姿が。ほかにも、笑顔が飛び交う撮影の合間の様子も収録。まるで夏月と佳道のように穏やかに談笑する新垣と磯村や、大学のシーンで共演した佐藤、東野、坂東希と岸監督が、劇中のシリアスな役柄とは打って変わって楽しそうに写真撮影に望む姿は、本編を観た後だとさらに味わい深いものになるはずだ。

映像の最後には、主演を務めた稲垣のクランクアップ時の挨拶が。岸監督を始めとするスタッフや共演者たちの姿から「この作品にかける情熱と思いがすごく伝わってきた」という稲垣は、「みなさんが妥協することなくワンカットずつ丁寧に粛々とものづくりをされている姿に、やっぱり映画の現場っていいなと思いました。こういうところでお仕事ができるというのは、俳優として本当に幸せなことだと思っています」とコメント。花束を抱えながら笑顔で語る稲垣の姿からも、本作の撮影が充実したものであったことが伝わってくる。

『正欲』は大ヒット上映中

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