疲れは日本の2年分? ルーキー西村優菜が見せた成長の一打

会心のバーディ締めで「67」をマーク(撮影/村上航)

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 2日目(17日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

スタンドに囲まれた18番、西村優菜はミドルパットを流し込むバーディフィニッシュで喝采を浴びた。「最後にいい距離が入ってくれて、歓声もすごくてうれしかった」。目標としていた5アンダー「67」を達成する締めくくりに笑顔がはじける。

ショットの不安なく戦う(撮影/村上航)

それ以上にうれしかったのは、日本ツアーに比べればやっぱり少ないギャラリーに見守られながら決めた、16番(パー3)のチップインバーディかもしれない。「すごいミスだった」というティショットをグリーン奥に外し、逆目のライからのアプローチだった。

グリーン周りの逆目の芝は、練習ラウンドの時点で最も警戒していた部分。限られた時間で必死に対応策を練っていた。「距離感を合わせにいくと、ちょっと(芝目に)負けてしまう感じがあった。(グリーンに乗ってからピンまで)幅があってランを使えるところだったら、グサッと突き刺すような感じで(強くコンタクトして)いく方が、自分の中ではうまくいく感覚だった」。16番は、まさにそんな一打だったから声も弾む。

うれしい一打も飛び出した(撮影/村上航)

成長を感じるのはグリーン周りのスキルに限らない。出場優先順位の低い立場からシードを確保するため、上位選手がスキップしがちなフィールドの薄い試合にも積極的に出場。自らの強みであるショットの状態が上がらない悩みと付き合いながら、欧米のさまざまなコースを経験してきた。

米国で一歩ずつ着実に成長(撮影/村上航)

「これだけいろんなことを考えて、いろんなことを感じたことはなかった。すごく自分にとって濃い1年、大きな1年を過ごしているなって。日本にいた3年よりかは成長できたのかなと思います。同じ1年でも、日本にいた2年分くらい疲れましたから(笑)」

通算7アンダー16位で週末へ(撮影/村上航)

濃密な1年のラストゲームも残り2日。「きょう(スコアを)出さないと、週末が厳しくなってしまう。(大きく離されると)楽しみがなくなっちゃうと思ったので、頑張りたかった。前半の悪い流れから、うまくコントロールしながらできた」。予選カットがないからこそ、緊張とは無縁の週末36ホールにしたくはなかった。通算7アンダー16位なら、まだまだ上を目指せる。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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