「刃物を下ろせ」暴漢役に警告 JR西日本、相次ぐ列車刺傷事件受け緊迫訓練

列車内で暴漢がナイフを振り回し、乗客が切りつけられる想定で行われた訓練(草津市渋川1丁目・JR草津駅)

 JR西日本は11月15日、列車内での刺傷事件を想定した訓練を滋賀県草津市の草津駅で開いた。滋賀県警や湖南広域消防局の関係者も加わり、約75人が乗客の避難誘導や救護などの対応を確認した。

 近年、列車の乗客が刃物で傷つけられる事件が相次いでいる。JR西でも今年7月、大阪府内で乗客らが切りつけられる事件があり、社員の対応力向上や関係機関との連携強化を目的に実施した。

 訓練は草津駅到着間際の列車内で刃物を持った暴漢に襲われ乗客2人が負傷したとの想定で、ドアが開くと乗客はホームに避難し、車掌は乗務かばんを盾に暴漢に落ち着くよう説得。到着した警察官は「刃物を下ろせ」などと警告して暴漢を取り押さえ、消防隊員は負傷者を搬送した。

 高見重光駅長は「お客様が危害を加えられる事件はいつ起こるか分からない。改善点を振り返り、対応力を高めたい」と話した。

© 株式会社京都新聞社