竹あかりで世界に販路 南紀白浜の福祉作業所、低工賃問題の解決目指す

「キミト☆ミライ」で作っている竹あかり

 和歌山県白浜町十九渕の障害者就労支援B型事業所「キミト☆ミライ」が、手がけている竹製品を来年2月に米国ニューヨークで開催されるインテリアの国際見本市「ニューヨーク・ナウ」に出展する。世界に販路を拡大することで、作業所の低工賃問題解決を目指す。

 厚生労働省によると、2022年度の就労継続支援B型事業所の平均月額工賃は約1万6千円。時間給にすると233円にとどまる。利用者が取り組みやすいように軽作業が多いことなどが要因という。

 「キミト☆ミライ」では、竹幹に穴を開けて明かりをともす「竹あかり」など竹製品を作っている。作業の難易度を上げたり、作業量を増やしたりせず、工賃アップを図るため、国際見本市出展を決めた。

 「ニューヨーク・ナウ」には、インテリア全般、ギフト、雑貨、家具など約2500社が出展予定。世界80カ国からのバイヤーが集まるという。

 ただ、事業所は昨年開設したばかり。米国への渡航費用を捻出するのも困難で、インターネットを通じ、資金を募るクラウドファンディング(CF)に挑戦している。

 谷正義代表は「竹あかりの魅力を世界中にアピールしてきたい。米国の障害者施設も視察、交流し、障害者雇用の待遇改善につなげたい」と協力を呼びかけている。 

 CFは「For Good(フォーグッド)」で30日まで受け付けている。

 【就労継続支援事業】企業などでの就労が難しい障害者が雇用契約を結んで働き、原則最低賃金が適用される「A型」と、雇用契約を結ばず工賃を受け取る「B型」の2種類がある。

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