【マイルCS/騎手データ】勝率57%の“穴メーカー”に要警戒 ルメールJと川田Jは相手まで

11月12日は京都競馬場で最強マイラー決定戦・マイルCS(GI、芝1600m)が開催されます。

同レースは京都競馬場の大規模改修工事に伴う日割り変更のため2020~22年にかけて阪神競馬場が施行舞台でした。京都競馬場で行われるのはエリザベス女王杯と同様に2019年以来4年ぶりです。

今回は2020~22年の阪神開催を除く2000~19年の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■池添謙一騎手にアタマの可能性

今年のマイルCSに騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは10騎手。

着順と人気のバランスに優れる騎手は見つかるのですが、連対率がイマイチ。今回は連対率を重視し騎手データを見ていきます。

まず取り上げるのが集計期間内最多となる4勝を誇る池添謙一騎手です。

1着か着外という派手な成績ではあるものの、2003年のデュランダル(5番人気1着)、04年のデュランダル(1番人気1着)、11年のエイシンアポロン(5番人気1着)、19年のインディチャンプ(3番人気1着)でそれぞれ勝利。単勝回収率は207%で、京都開催のマイルCSならベタ買いを推奨できる数値です。

注目ファクターは性別と年齢で「牡馬・セン馬」かつ「4歳または5歳」なら【4.0.0.3】勝率57.1%。さらに当日5番人気以内なら【4.0.0.0】勝率100%というとんでもないデータも見つかります。

そんな池添謙一騎手が今年のマイルCSで跨るのが前日16時時点で9番人気のソーヴァリアント(牡5、美浦・大竹正博厩舎)。当日5番人気以内は厳しそうですが、性別と年齢から熱い条件に該当しますので押さえは必須でしょう。買うなら1着固定がいいかもしれません。

■M.デムーロ騎手は人気次第

続いて池添謙一騎手より高い連対率37.5%が魅力なM.デムーロ騎手のデータを見ていきます。

2015年のフィエロ(2番人気2着)、17年のペルシアンナイト(4番人気1着)、18年のペルシアンナイト(3番人気2着)で3度の連対がありますね。

注目ファクターは人気で【当日4番人気以内】なら【1.2.0.1】の連対率75%です。人気のM.デムーロ騎手なら買いと覚えておきましょう。そして今年のマイルCSでM.デムーロ騎手が騎乗予定なのが前日16時時点で10番人気のエエヤン(牡3、美浦・伊藤大士厩舎)。3連勝で今年のニュージーランドトロフィーを制した素質馬です。当日大きく人気が上がるようなら押さえてみてください。

■秋GI絶好調のC.ルメール騎手と川田将雅騎手は……

最後に秋GIで3勝を挙げるC.ルメール騎手と2勝を挙げる川田将雅騎手のデータを見ていきます。

C.ルメール騎手は2016年のイスラボニータ(2番人気2着)をはじめ2着が3度ありますが、京都施行のマイルCSは未勝利。

4番人気だと【0.2.1.0】連対率66.7%とかなり優秀ですが、1~3番人気では【0.1.0.5】連対率16.7%であまり結果を残せていません。17年のイスラボニータ(1番人気5着)、18年のモズアスコット(1番人気13着)のように人気に大きく反するケースも見られ、データ上は推しづらい騎手です。

同騎手は前日16時時点で抜けた1番人気のシュネルマイスター(牡5、美浦・手塚貴久厩舎)に跨りますが、データ重視のスタンスなら軸よりは相手で考えたいですね。ただし、C.ルメール騎手は阪神開催のマイルCSで2勝を挙げていて、今年の秋GIでは現在3連勝中と絶好調。過去の自身のデータをあっさり覆す走りが見られても驚けないでしょう。

続いて川田将雅騎手のデータを見ていきます。

同騎手は2019年のダノンプレミアム(1番人気2着)が初のマイルCSにおける連対で、そこまでは掲示板前後に落ち着くことが多かったですね。平均着順と平均人気のバランスからほぼ人気通りの着順が見込めるものの、1~3番人気では【0.1.0.2】連対率33.3%でイマイチ弾け切れない様子です。

そんな川田将雅騎手が騎乗予定なのが前日16時点で2番人気のセリフォス(牡4、栗東・中内田充正厩舎)。昨年の優勝馬で実際最上位の存在だけに連覇までありそうですが、データ上は軸よりは相手という評価が妥当かもしれません。

以上、マイルCSの気になる騎手データでした。データ注目騎手はソーヴァリアントに跨る池添謙一騎手です。同騎手を1着に固定した馬単や3連単なら大きな払い戻しが期待できそうですね。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。

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