大会初&史上7人目のアマ優勝へ 杉浦悠太の強さは「明るく、崩れず、淡々と」

緊張しているように見えないのがスゴイ(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 3日目(18日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)◇晴れ(観衆4707人)

単独首位から出たアマチュアの杉浦悠太(日大)が、一度も首位から落ちることなく戻って来た。「めちゃめちゃ、緊張してましたよ」と話す笑顔は、スタート前の練習場から変わらない。飄々とした印象を与える22歳が、大会としては史上初、ツアー史上7人目のアマチュア優勝をかけて最終日に臨む。

愛知県出身で、福井工大福井高から日大に進学。最終学年を迎えた今年、8月の男子下部「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」を制し、今大会への出場資格を手に入れた。

2019年から日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームメンバーに選出され、5打差3位にいる中島啓太は元チームメートであり、尊敬する先輩のひとり。中島から見た杉浦は、「明るくて楽しい」人柄だが、コースに入ると「テンポがよくて、ズルズル崩れない。淡々とプレーして、バーディを獲っていかないと追いつけない」とスキを見せない強さがある。

勝てば史上7人目のアマチュア優勝(撮影/松本朝子)

特に今週は、アマチュアとして迎える最後のプロトーナメントという覚悟もある。「後悔しないような攻め方をしたい」と、大事な局面で1Wを振り切ることをテーマに決めた。練習ラウンドで3Wを握った1番のティショットも、この日は「気持ちで負けないように」と1Wを選んでバーディ発進。3番(パー3)で奥に外して3オン1パットでボギーを叩いたが、気持ちを切らさず1Wで攻めた。

最終18番(パー5)も2オンに成功。「イーグルパットが入ったらもっとよかったけど、バーディが獲れてよかった」。2ボギーだったバックナインを、5mから2パットのバーディで締めて、5バーディ、3ボギー「69」。リードをスタート前の3打から4打に広げて、最終日に向かう。

「あしたも18ホールを楽しみたいです」と緊張を感じさせない笑顔と裏腹に、優勝への思いは強い。2週後には、来季の日本ツアー出場権を懸けた3次予選会(サードQT)に出場予定。勝てば予選会をスキップして、ツアー出場権が手に入る。「きのう終わってからもずっと思っていました。優勝したいです」と力強く話した。(宮崎市/谷口愛純)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン