【国際男性デー】性被害、話しても仕方ない? 男性ら対象の相談ダイヤルが伸び悩み 神奈川県「気軽に相談して」

神奈川県が運営する「かならいん」と、男性らの専門相談ダイヤルを周知するパンフレット

 性被害に遭った男性や性的少数者のために神奈川県が運営する「専門相談ダイヤル」の利用が伸び悩んでいる。2019年の設置から4年間で寄せられた相談は今年9月末現在、100件ほど。存在が知られていないことに加え、「恥ずかしい」「話しても仕方ない」と被害者が敬遠してしまうことも影響しているとみられる。県は今後、周知に力を入れるといい、「性別や年齢に限らず嫌だと思ったら、それは性被害。悩みや不安を気軽に相談してほしい」と呼びかけている。

 県は17年8月、性犯罪・性暴力被害者のワンストップ支援センター「かならいん」を開設。19年10月には、男性や性的少数者のための専門相談ダイヤルも設けた。

 「かならいん」は性別を問わず、24時間365日受け付けている。一方、専門ダイヤルは男性に加え、トランスジェンダー当事者らの悩みに寄り添える相談員を配置しているが、週1回、4時間に限られている。

 かならいんは#8891、または電話045(322)7379。専門相談ダイヤルは電話045(548)5666(祝休日と年末年始を除く毎週火曜日午後4~8時)。どちらも匿名でも受け付け、必要に応じて予約制の面接相談や医療機関の受診などの支援が受けられる。

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 11月19日の「国際男性デー」に合わせて、神奈川新聞社は企画記事を掲載します。国際男性デーは、男性が抱える「生きづらさ」に光を当てる日として、国内でも少しずつ認知されています。性別にとらわれず、自分らしく生きるために、企画を通して私たちと一緒に考えてみませんか。

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