「死刑制度あり方考えてほしい」 兵庫、袴田事件の弁護団

シンポジウムで発言する袴田巌さんの弁護団の佐野雅則弁護士=18日午後、神戸市の兵庫県弁護士会館

 死刑制度について考えるシンポジウムが18日、兵庫県弁護士会館で開かれた。1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で死刑確定後、再審公判が始まった袴田巌さん(87)の弁護団の佐野雅則弁護士が冒頭「間違った裁判で取り返しがつかないほど人生を狂わされた人たちを見た上で、死刑制度のあり方を考えてほしい」と訴えた。

 シンポジウムには弁護士ら約90人が参加。座談会に登場した2014年に再審開始を認める決定を出した当時の静岡地裁裁判長の村山浩昭氏は、死刑制度について「本人だけでなく身内や刑務官も苦痛。制度として人を殺すという視点から考えねばならない」と話した。

© 一般社団法人共同通信社