この冬、Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手たち(2023-24年/アタッカー編)

季節は冬。すっかり葉を落とした街並みの中を老若男女、多くの人々がゾロゾロと歩いている。各々の脳内を覗き込む術は持っていないのだが、きっと皆こう思い耽っているのだろう。

「今年の冬は、一体どういう外国籍選手がJリーグへやって来るのだろう?」と。

さて、毎年恒例となったこちらの企画。今年の冬は「アタッカー編」「DF・MF編」の2回に分けて投稿する。

第1弾はアタッカー編。ただ一心に”来るのか、来ないのか”だけを見極め、シビアに厳選した10名の選手達。ぜひご覧ください。

一連のコロナ禍が収束し、世界の移籍市場に活気が戻った今、Jリーグでもビッグネームの獲得に期待がかかる。ただ息を吹き返した欧州クラブやMLS、サウジアラビアリーグの台頭もあり、今冬も欧州の主要リーグからバリバリの主力選手を獲得するのはハードルが高いと言わざるを得ない。

そこで近年のJクラブが目をつけているのがノルウェー、スウェーデンなど北欧リーグの選手だ。リーグのカレンダーが同じなためコンディション面の懸念が少なく、コスパが良くチームプレーに高いレベルで対応できる。ポジションを問わず、今冬も北欧から有力な外国籍選手がやって来る可能性は高いだろう。

もう一つ気になるのは中国スーパーリーグ。一連のバブルが崩壊した今、中国の市場規模はJリーグに限りなく近くなった。バブル前から中国クラブのスカウトは東欧やアフリカのリーグから優秀な外国籍選手を獲得してくる傾向にあり、現在も無名ながら多くの優秀な外国籍選手がプレーしている。

今年3月に浦和レッズへ加入したギニア代表FWホセ・カンテ(33)もその1人。今冬も中国経由でJリーグへやって来る外国籍選手が出て来るだろう。

その他、依然として多くのJクラブに在籍するブラジル人選手や韓国人選手、ロマン溢れる提携国枠選手など、とにかく「やって来そうなオーラ」を放つ選手達を厳選した。第1弾はアタッカー編。ぜひご覧ください。

スヴェイン・アーロン・グジョンセン

Sveinn Aron Guðjohnsen

国籍:アイスランド
ポジション:FW
年齢:25歳
所属:IFエルフスボリ(SWE)

かつてチェルシーFCやFCバルセロナなどで活躍した元アイスランド代表FWエイドゥル・グジョンセン(45)を父に持つサラブレッド。

ユーティリティー性の高さがウリだった父親とは対照的で、スヴェイン・アーロンは189cmと長身で典型的な9番タイプのCF。エアバトルの強さに加え、左足からの正確なフィニッシュも光る。

2021年から所属するIFエルフスボリで主力としてプレーし、今シーズンはリーグ戦30試合7ゴール。今夏はドイツ2部リーグのハンザ・ロストックが獲得に動いたが、エルフスボリ側が首を縦に振らず交渉は破談に終わったとされる。

今冬も各国のクラブが獲得に興味を示しそうな中、Jリーグのクラブもオファーを提示する可能性は十分ありそう。契約を1年残すため移籍金が発生するものの、絶対的なエースを欲しているビッグクラブが獲りに行ってもおかしくはない本格派のストライカーだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ルーカス・アラリオ

Lucas Nicolás Alario

国籍:アルゼンチン
ポジション:FW
年齢:31歳
所属:アイントラハト・フランクフルト(GER)

名門レヴァークーゼンなど、ドイツ1部リーグで長らく活躍したストライカー。

神出鬼没のワンタッチ・ゴーラーで、相手ディフェンスの一瞬の隙を突くプレーが魅力。アルゼンチン代表としても9キャップを刻んでいる。

昨シーズンに加入したフランクフルトでは今シーズンも出番がなく、現地メディアからは放出の噂が絶えない。古巣のリーベル復帰も画策されているようだが、これを機にJリーグのクラブが獲得に動く可能性もあるだろう。

ゴールセンスは未だにワールドクラス。Jリーグへやって来ればゴールラッシュが期待できそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ボビー・ウッド

Bobby Wood

国籍:アメリカ
ポジション:FW
年齢:30歳
所属:ニューイングランド・レボリューション(USA)

アメリカ人の父親と日本人の母親の元にハワイで生まれた180cmのストライカー。

テクニックよりも気持ちでゴールを奪う「ガッツ系」で、パワフルな右足のシュートが武器。ドイツで長らく活躍し、ハンブルガーSV在籍時には元日本代表DF酒井高徳(32)と共にプレーしたことでも知られる。

2021年からアメリカへ渡り、今シーズンはニューイングランド・レボリューションで開幕からゴールを量産するも、中盤で失速し31試合7ゴールの結果に終わった。来シーズンの動向は不明だが、縁のある日本でプレーする可能性は低くないだろう。

先月10月にはリーグ戦で相手チームの選手から反アジア人の中傷を受けたことでも話題となった。チャーミングな笑顔が魅力なだけに、早く明るいニュースが聞きたいものだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ヘセ・ロドリゲス

Jesé Rodríguez Ruiz

国籍:スペイン
ポジション:MF
年齢:30歳
所属:コリチーバFC(BRA)

推進力のあるドリブルで前線を活性化するウィンガー。

優秀なドリブラーを多く輩出することで有名なカナリア諸島で生まれ、その後レアル・マドリーやパリ・サンジェルマンなど欧州の名門クラブで活躍した。A代表招集歴はないものの、各年代別のスペイン代表でプレーした実績を持つ。

ポルトガル、トルコ、イタリアのクラブなどで経て、現在はブラジル・セリエAのコリチーバFCに在籍中。チームは現在2部降格圏にあり、ヘセ自身も加入後5試合0ゴールと期待された活躍は見せられていない。今シーズン限りでの退団は決定的と見られており、今冬は世界各国のクラブで争奪戦となりそうだ。

近年スペイン人選手と縁のあるJリーグのクラブが獲得レースに乗り出すことも十分考えられる。アジアの地でキャリアにもう一花咲かせられるか。今冬の動向に注目したい。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

オスカル・ヨハンソン

Oscar Nils Per Johansson

国籍:スウェーデン
ポジション:MF
年齢:28歳
所属:IFKヴェルナモ(SWE)

「今シーズンのスウェーデン1部リーグ最高のMF」との呼び声高いチャンスクリエーター。

豊富な運動量で前線を駆け回り、ライン間でボールを受けては決定的なスルーパスや強烈なミドルシュートでゴールを演出する。今シーズンはリーグ戦29試合5ゴール8アシスト。主将でもあり、キャプテンシーもある。

今シーズンはIFKヴェルナモで印象的な活躍を見せ、評価を確立させた。契約は今シーズン終了まで。ヴェルナモ側は慰留に全力を注いでいるが、現在に至るまで契約更新のニュースはない。今冬は欧州を中心に多くのクラブが獲得に乗り出すと見られており、北欧ルートを確立させつつあるJリーグのクラブも手を挙げる可能性が高い。

リーグ制覇やアジアを見据えた極上のタレント。Jリーグへやって来れば大きなインパクトを残すに違いない。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★

ロビ・マンゾキ

Cesar Lobi Manzoki

国籍:中央アフリカ
ポジション:FW
年齢:27歳
所属:大連人(CHN)

中央アフリカ代表で売り出し中の大型ストライカー。

リーチの長い手足を生かし、「ここまで届くのか」と唸らせるキープ力、ゴール前での一瞬の動きに定評がある。スペースへの走り込みも積極的に行うなど、献身性も魅力だ。

ウガンダ・プレミアリーグで得点王のタイトルを獲得した後、今シーズンから中国の大連人へ加入。25試合8ゴールと活躍したが、チームは残念ながら2部リーグへ降格してしまった。

今後の動向は不明だが、市場価格はそこまで高くなく、Jリーグのクラブもオファーを出しそうな状況にある。無限のポテンシャルを誇るアフリカの大器。今冬の隠れた注目株だ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

レアンドリーニョ

Leandro Henrique do Nascimento (Leandrinho)

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:25歳
所属:マリンガFC(BRA) ※レッドブル・ブラガンチーノ(BRA)からのローン

キレのあるドリブル突破が武器のウィンガー。川崎フロンターレのブラジル人MFマルシーニョに似たタイプで、左サイドからスピードを活かしたドリブルでスルスルと相手を交わしていく術に長ける。

かつてはU-17ブラジル代表で10番をつけ、2015年の南米選手権で得点王を獲得。イタリアの名門ナポリにも在籍した経歴を持つが、その後は伸び悩んだ。

現在はブラジル・セリエD(4部)のマリンガFCでプレー中。まだ老け込む年齢ではないため、今冬は多くのクラブが獲得に乗り出しそう。JリーグからもJ2を含めた多くのクラブが獲得に乗り出しそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★

ガブリエル・シャビエル

Gabriel Augusto Xavier

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:30歳
所属:フリー ※前所属はシャペコエンセ(BRA)

2017〜21年まで名古屋グランパス、22年に北海道コンサドーレ札幌でプレーした左利きのアタッカー。

高精度の左足に加え、変幻自在のドリブル突破でゴールを演出する。Jリーグを観てきた方ならお馴染みの選手だろう。

札幌退団後はブラジルへ帰国し、今年4月にブラジル・セリエB(2部)のシャペコエンセへ加入。活躍が期待されたが、僅か5ヶ月後の9月に「家庭と個人的な事情」にて退団が発表された。その後はフリー状態となっている。

ブランクは気になるものの、Jリーグでの実績は十分なだけに今冬は獲得に動くクラブが出てくるかもしれない。「最もJリーグ入りに近い外国籍選手」と言っていいかもしれない。

【Jに来るかも知れない度】★★★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

フェリペ・ヴィゼウ

Felipe dos Reis Pereira Vizeu do Carmo

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:26歳
所属:クリシューマEC(BRA)

左右両足に頭と、多彩なゴールパターンを持つ184cmの大型ストライカー。

年代別のブラジル代表として活躍後、2018年にイタリア・セリエAのウディネーゼへ加入。その後2021~22年には横浜FCにも在籍したことでも知られている。

現在はブラジル・セリエB(2部)のクリシューマECでプレー。熾烈な1部昇格争いを演じるチームにおいて、主力として活躍中だ。

現時点でJリーグ入りの噂はないが、横浜FCでは開花するに至らなかった能力を評価する声も少なくない。J2のクラブも含め、再びJの舞台へやって来る可能性は十分ありえるだろう。

【Jに来るかも知れない度】★★★

【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

ファイク・ボルキア

Faiq Jefri Bolkiah

国籍:ブルネイ
ポジション:MF
年齢:25歳
所属:ラーチャブリーFC(THA)
豊かなスピードとアジリティを武器にゴールへ迫る攻撃的MF。

アメリカ・ロサンゼルスで生まれ、その後イングランドへ渡りチェルシーやレスター・シティの下部組織でプレー。2021年から活躍の場をタイへ移している。

叔父はブルネイのハサナル・ボルキア国王(77)。ファイク自身も総資産約2兆円を誇り、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシら名だたるビッグネームを抑え「世界で1番お金持ちのサッカー選手」として知られている。

一方トレーニング姿勢は至って真面目で、性格も驕らず、実力も折り紙付き。ブルネイが提携国枠外なのは残念だが、獲得するJリーグのクラブがあれば様々な点で話題性を提供してくれるはずだ。

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【Jで活躍するかもしれない度】★★

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