「ドロップゾーンから打たせて…」 西村優菜は池ポチャにモヤモヤも“ナイスボギー”

“トラブル”もあった最終ホールをナイスボギーで締めた西村優菜(撮影/村上航)

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 3日目(18日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

最終18番、西村優菜はセカンドをグリーン左の池に落とした。微妙な残り距離で、短いクラブで右からの風に乗せるか、長いクラブで抑えて狙うかの2択。大きい番手のカットボールを引っ掛けたのは「完全にミスショット」と割り切れても、そこからが大変だった。

左サイドは池に向かって刈り込まれ、ドロップしようとしてもボールが止まらない傾斜地。リプレースできる場所を探すうちに“横切った地点から2クラブレングス以内”はオーバーしていたが、立ち会った競技委員は次々と違う場所に置くよう指示していくだけ…。

ここじゃ止まらないよ…(撮影/村上航)

土手を上った場所にはテレビ塔の救済となるドロップゾーンがあり、そちらの確認もした。「サラ・ケンプが、池に入った選手もそこ(ドロップゾーン)から打てたと言ってて。(置いた場所が)2クラブから出てましたし、『上から打たせてよ…』って思ったんですけど、ちょっとどういうルールなのか…」。ホールアウトしてもモヤモヤは残ったまま。苦笑いするしかなかった。

前半は珍しくショットが荒れた(撮影/村上航)

救いは“ナイスボギー”で終われたこと。ラフとの境目のような場所に何とかボールを置き、ウェッジのフェースを目いっぱい開いてピンの根元に落とすアプローチに成功。「思い切ってやるしかない状況。いい感じで自分の思い通りの球が飛んでくれた」と少しだけ白い歯がこぼれる。

後半に巻き返して「70」(撮影/村上航)

通算9アンダー22位に後退する結果となったが、珍しくショットが荒れた中で我慢も光る「70」だった。タフなホールが続く前半でスコアを落とした後、折り返してから6ホールで4バーディを奪取。最終ホールも、セカンドをミスして以降は最善を尽くせた。

22位でルーキーシーズンのラスト18ホールへ(撮影/村上航)

「『もうあと1日しかないのか…』と思うんですけど、楽しんでスコアを伸ばせるように」。ルーキーとして挑み続けた1年を気持ちよく締めくくる。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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