冬の味覚「ぼたん鍋」がシーズンだよ! 発祥の丹波篠山市で40店提供、異なる特徴や味楽しんで 兵庫

大輪の花のように皿に盛られた「ぼたん鍋」用の猪肉=丹波篠山市二階町

 狩猟が解禁され、兵庫県丹波篠山市発祥の名物料理「ぼたん鍋」のシーズンが今年も巡ってきた。市観光協会は、文化庁による食文化の認定制度「100年フード」に昨年選ばれた自慢の「冬の味覚」を市内外にPRしている。

 同協会によると、市内でぼたん鍋を提供しているのは専門店や料理旅館など約40店。栗みそや白みそ、割り下など、鍋のベースは店ごとに特徴や工夫がある。

 1907(明治40)年創業の老舗料理旅館「潯陽楼(じんようろう)」(同市二階町)では、秘伝の合わせみそで猪(しし)肉や野菜をじっくり煮込む。

 試食した観光大使の山添琴音(ことの)さん(26)は「肉は軟らかでくさみもない。体があったまる」と笑顔。昨年移住し、農業法人で米や黒豆を育てており、「イノシシには被害に遭ってきたが、食べるととてもおいしい」と感動していた。

 豚熱の影響で、地元産の野生の猪肉は流通させられないが、「丹波篠山には目利きがおり、全国から上質の猪肉が集まってくる」と市観光協会。同旅館のオーナー藤井恵一さん(66)は「(新型コロナウイルスの影響が強かった)昨年までと違って、今年は団体客が戻ってきている。猪肉もこれからが脂が乗ってくる時季」と期待していた。

 店舗の紹介は、丹波篠山市観光協会TEL079.506.1535 (堀井正純)

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