30歳を過ぎても飛ばし屋? 笹生優花の答えは…

笹生優花は3日間60台をそろえ、通算10アンダー17位で最終日へ(撮影/村上航)

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 3日目(18日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

3日間で最も強い風が吹いたこの日、笹生優花はスタート前の練習場から低弾道のショット練習を繰り返した。「このコースで、この風なら、やっぱり必要なので」。強烈なアゲンストに見舞われた4番では低く抑えつけるような1Wショットを放つなど、フェアウェイキープ失敗は2ホールにとどめた。

低弾道ショットはイメージが大事らしい(撮影/村上航)

その数少ない失敗のうちのひとつが、フォローの風に乗せようとしたハイドローが左に曲がった6番(パー5)。バックスイングで垂れ下がった木の枝が気になるような状況でも、花道まで運んだセカンドのアイアン。レイアップと形容するには、かなりアグレッシブな一打だった。

「(グリーンを)狙えない状況ではなかった。ミスりましたけど」。3打目、スピンでピンそばにピタッと止めたアプローチはパーフェクト。「たまにはね」とクールを装って笑いを誘うところまで“らしさ”があふれる。

6番はこの状況でグリーンを狙った(撮影/村上航)

この日2サム同組で回ったマデレーネ・サーストレム(スウェーデン)は、31歳にして今季ドライビングディスタンス10位(271.799yd)につける飛ばし屋。同スタッツ7位(272.717yd)の笹生も「すごいなー」と感嘆の声を漏らすパワーの持ち主だ。「身長もデカい(175㎝)ですし、身体も強いですし、そりゃあ(飛距離が)出ますよね」とうなる。

平均飛距離ツアー10位につけるスウェーデンの31歳と(撮影/村上航)

現在22歳。「自分、背がちっちゃいんでムリでしょ。30でも、まだゴルフができるかってところですよ」と笑いながら首を横に振るが、8年後もツアー屈指のロングヒッターとしてプレーしていそうな想像は容易に膨らむ。

ここまで3日間60台をそろえ、通算10アンダー17位で臨む今季最後のラウンド。「いつも通りです。いい一週間だったなと思えるような1日にしたい」。やっぱり8年後も口にしていそうな“お約束”のフレーズで意気込んだ。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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