ヤッコ踊り、一堂に 沖永良部島=5年ぶり全島大会、8地区が出演

奄美群島日本復帰70周年記念第4回全島ヤッコ踊り大会(同実行委員会主催)は11月12日、鹿児島県知名町のあしびの郷・ちなであった。合同で保存会を結成している島内9地区のうち8地区が出演。勇壮で軽快な踊りを披露し、多くの来場者を魅了した。

クバ笠や棒を持った独特な踊りを披露した出花ヤッコ=11月12日、知名町あしびの郷・ちな

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大会は2014年度、県無形民俗文化財に指定されて以降、2年に1回開催されてきたが、新型コロナウイルスの影響で5年ぶりの開催となった。

玉城の「玉城万寿主」を皮切りに、出花、田皆、正名、根折、畦布、瀬利覚、国頭の順に踊りを披露。次世代への継承に向け、踊り手に子どもたちを加えた地区もあった。来場者は所作や衣装、小道具など各地区の違いを楽しみながら、熱心に鑑賞していた。

幕間にあいさつに立った実行委の伊村和之会長は「先人たちが創り受け継いできた、沖永良部島にしかない貴重で素晴らしい伝統芸能を、新しい形を築きつつ、守り発展させていく」と誓った。

「ヤッコ」は勇ましい男性の意味。踊りは1609年の薩摩藩の琉球侵攻以降、鹿児島に赴いた島民が県本土地域の盆踊りを伝えたことが始まりとされる。薩摩藩の役人をもてなす舞台芸能として発展し、各集落で踊り継がれている。

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