関西演劇祭で福岡のPandAがMVO受賞「ケツ蹴られた」

「つながる演劇祭」をテーマとする小演劇の祭典『関西演劇祭』が、11月19日に閉幕。最優秀賞にあたるMVO(Most Valuable Opus)に福岡から参加したユニット「PandA」が選出された。

『関西演劇祭2023』でMVOを受賞した「PandA」のメンバーと審査員ら(11月19日・大阪市)

同演劇祭は、演劇関係者やテレビの番組プロデューサー、映画監督らが審査員として協力。今回5回目を迎え、これまでに参加した役者や作家は、ドラマ・映画の出演や脚本を担当するなど活躍の場を広げており、関西演劇界のカンフル剤となっている。

参加した10劇団のなかから本年度MVOを受賞した「PandA」は、授賞式で「演劇も映画もお笑いも、人を救う力がある。観に来てくれたお客さんが、ケツを蹴り上げられてちょっと人生が潤って何か変わればいいなって。この1週間、みなさんのお芝居を観てこちらがケツを蹴り上げられて、僕らもそれを糧にしたからこそ、この賞をいただけた」と一緒に参加したほかの劇団を労った。

受賞理由として今回の審査委員長・南野陽子は、「脚本も、役者さんの個性ある演技力も、演出も、照明も、音楽もすごく良かったし、これほどうまく客席を使える作品もないんじゃないかと思うぐらい、全てが良き形だったと思います。これからも演劇を続けて、多くの方にそのすばらしさを伝えてほしい」」と絶賛した。

このほかベスト脚本賞に「PandA」の作品『EN_TRY』の高梨由、ベスト演出賞に「餓鬼の断食」の作品『或る解釈。』の川村智基、ベストアクター賞に「演劇組織KIMYO」の元山未奈美と「PandA」の山田だびんち(福吉座)が選出。また審査員特別賞に「無名劇団」、観客賞に「MousePiece−ree」が選ばれた。

同演劇祭は、11月11日〜18日まで「COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール」(大阪市中央区)で実施。45分の作品を各劇団3ステージずつ上演し、各回とも上演後に審査員と観客を交えたティーチイン(討論会)もおこなわれていた。

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