中島啓太「優勝して現実なものにしたい」 次週にも賞金王決定

「69」でプレーした中島啓太(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 最終日(19日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)◇晴れ(観衆6865人)

18番で短いバーディパットを決めると、中島啓太からこの日一番のガッツポーズが出た。「自分の力を出して終われた」と、17番からの連続バーディフィニッシュはようやく及第点に届いた。

同組でトップのアマチュア杉浦悠太(日大)を追いかけたこの日は、「追いつけるような自分のゴルフではなかった」と5バーディ、3ボギーの「69」。前半は「もったいないボギーがあった」と3番(パー3)でバンカーにつかまりボギーが先行。直後の連続バーディで取り返したが、惜しいパットも続き、いら立ちを吐き出すようにため息が漏れる場面もあった。

後半に入って杉浦がスコアを落としたが、自身の後半は惜しいパットが続いてバーディが獲れず、なかなか差が縮まらない。17番(パー3)で1mにつけて10ホールぶりにバーディを奪い、杉浦と3打差で最終18番(パー5)に入った時点では、まだ優勝を諦めていなかった。

2位タイで3000万円獲得した(撮影/松本朝子)

「最後、セカンドがもし入ったら並ぶじゃないですか。それくらいまで考えていた」と挑んだ1打目は左のラフ。振り切った2打目はカップに入ってくれず、左のバンカーにつかまった。

それでも3打目で1mに寄せるナイスショットでバーディを奪い、3位タイグループから通算9アンダー2位に順位を上げてホールアウト。「来週に向けて良い流れをつくれた」と納得のフィニッシュを決めた。

加えて、上がり2ホールは佳境を迎えた賞金王争いにもプラスになった。優勝した杉浦悠太がアマチュアのため、2位タイで賞金3000万円を加算し、今季の賞金総額は1億6288万6179円。ランク2位の金谷拓実との差を、開幕前の約1135万円から約4033万円に広げた。

国内男子ツアーも残り2戦となった(撮影/松本朝子)

次週「カシオワールドオープン」(高知・Kochi黒潮CC)も今週と同じく賞金総額2億円(優勝4000万円)となっているため、最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(東京・東京よみうりCC/賞金総額1億3000万円、優勝賞金4000万円)を待たず、早ければ次週で初めての賞金王戴冠が決定する。

「来週で優勝して、賞金王を現実のものにしたいと思います」と、今季4勝目に気合を入れた。(宮崎市/谷口愛純)

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