【全国高校ラグビー神奈川県予選】桐蔭学園がキック10本成功 王座奪回支えた吉田「狙えるところはどんどん狙う」

【桐蔭学園―東海大相模】前半、桐蔭学園の吉田がトライを決める=ニッパツ

◆桐蔭学園59ー0東海大相模

 左肩の開きを意識するように2度左腕を振り上げ、ゆっくり踏み出して右足で捉える。桐蔭学園FB吉田の正確なキックが王座奪回を支えた。

 SO萩井が決めたゴールキック1本以外は、吉田がPGとゴールキック計10本のうち9本を成功。「狙えるところはどんどん狙う」と、17―0の前半20分には敵陣10メートルライン手前からゴールポストを射抜いた。

 13―14で1点に泣いた昨年の決勝終了間際、ほぼ同じ距離でPGを選択しなかった桐蔭。藤原秀之監督は「昨年は最後のプレーで狙わず、今年はどうするんだと話していた。3点というのは、反則しないように相手の出足も止まってくるので大きい」とたたえる。

 当時ピッチに立てなかった吉田も「1年間キッカーとしての責任感を持っていた」。早朝から30分間、あらゆる距離や角度から蹴る練習を続け、精度を高めた。

 「ランも磨いてきた。身長が低い分、スピードとキックでは負けない」と、鋭いランスキルでも存在感を見せて前半に2トライを挙げる大車輪の活躍。168センチのヒーローは「最後の(ゴールキック)を外してしまったので、花園に向けて100%決められるように頑張りたい」とかぶとの緒を締め、歓喜の輪に加わった。

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