【日本代表】上田綺世が「そこまで価値はない」と言い切ったミャンマー戦のハットトリック。一方「特長を引き出し合えた」とチーム全体の相乗効果に頷く

「それぞれの個があってこその僕のゴールであり、5ゴールに」

[北中米W杯アジア2次予選 第1戦]日本代表 5–0 ミャンマー代表/2023年11月16日19:00/パナソニックスタジアム吹田

ミャンマー代表は攻めることを放棄していた。前回2021年のワールドカップ予選で10失点を失点を喫していて、むしろその失点をいかに減らすかを目的とした戦い方をしてきた。負けているのに時間稼ぎをしている光景が、全てを物語っていた。

「相手は勝ちに来ていなかった。そこまでしてくるとは思わなったので、そのやりにくさや難しさはありました」

ハットトリックを記録した上田綺世は「そこまで価値はないと思っています」と言い切った。

「(個人の記録としてハットトリックを記録したことについては?)正直相手が相手なので、そこまでの価値はないのかなという気持ちは正直あります。公式戦は勝つことが重要です。勝つための役割がポジションごとにそれぞれあります。フォワードは点を取ることだけだと思っています。ハットトリックして勝つのもいいと思いますが、それが何点でも勝つことが大前提。そのほうが重要だと思います」

「個人の記録」について問われたストライカーは、そのように11人あるいは全員の力がそこに結集して決めたのだという謙遜であり、上田らしい矜持を口にしていた。

ただ一方、チーム全体で見た場合、上田の特長を引き出すということが、次第に再現性を伴ってきたことはプラス材料に挙げられた。

5-0の快勝。力の差はあったものの観戦していて“つまらない”とは感じなかった。日本代表の全員が闘っていて、個の技術も高く、何より最前線の「9番」ポジションの上田がヘッド、スルーパス、サイドを活用した揺さぶりから決めていき、この90分のなかでコンビネーションの練度は間違いなく上がっていった。

堂安律のスルーパス、南野拓実の2アシスト、鎌田大地との連動――。互いに良さを引き出し合っているという点に、上田は頷いた。

「自分の良さを引き出してもらった試合になったと思います。また、それをお互いにできました。僕の動き出しが、他の選手を助ける場合もあります。仮に僕に(パスが)出なくても、チームメイトが決めればそれでいいとも思っています。

(力の差があると言われていたが)完全に抜け出せた場面はほとんどありませんでした。そのなかで技術のある選手が前を向いて相手に脅威を与えることで、僕が抜け出す隙を作ってくれます。違った形で進入できた場面もありました。それぞれの個があってこその僕のゴールであり、5ゴールだったと思います」

上田はそのように攻撃面での相乗効果をプラスに捉えていた。

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日本代表はサウジアラビア入り。北中米ワールドカップのアジア2次予選第2戦、11月21日にシリア代表と対戦する。上田には2戦連発の期待が高まる。

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