【MLB】 フィリーズがエース右腕・ノラと再契約 由伸争奪戦からは撤退か

写真:フィリーズとの再契約に達したアーロン・ノラ

フィリーズからFAとなっていた先発右腕アーロン・ノラがフィリーズとの再契約に達した。米各メディアが報じている。

契約は7年1億7200万ドルで、メディカルチェックはまだ完了していないものの、基本合意に達しているという。

2014年ドラフト1巡目(全体7位)でフィリーズにドラフトされたノラは、翌2015年にいきなりメジャーデビューを飾った。そして黎明期のフィリーズで頭角を現すと、2018年には17勝を挙げ、防御率2.37と大ブレイクを果たす。その年のオフには調停3年分と本来のFA1年分をカバーする4年4500万ドルの延長契約を結んでいた。

4年契約に付いていた5年目の球団オプションを行使されて臨んだ今シーズン、ノラにとっては防御率4.46とやや停滞の1年となった。しかし、2020年の短縮シーズンを除けば、5年連続となる32先発以上&200三振を記録し、持ち前の耐久性と平均以上の奪三振力を発揮していた。

今シーズン限りでFAとなるノラに対し、フィリーズは今年のスプリングトレーニングから延長契約の交渉を行っていたが不発。ノラは8年2億ドル規模の契約を求めていたのに対し、既に多数の大型契約を抱えるフィリーズは4~5年規模の契約を模索していると『USA Today』は報じていた。

フィリーズとの契約延長はならずFAとなったノラに対しては、多くの球団が移籍先候補として噂されていた。2023シーズンは停滞したとはいえど、2017年からノラはメジャー4位のfWAR30.3を記録し、メジャー2位の1233.1イニングを消化している。間違いなく今季のFA市場における最高の投手の1人だった。

移籍先候補に挙がっていたのは、カージナルス、ヤンキース、そして同地区ライバルのブレーブスら。『ESPN』のジェフ・パッサンのX(旧Twitter)によれば、ブレーブスはノラを引き抜かんとする”真の脅威”だったとのこと。それもあってか、ノラ側との交渉が進む中でフィリーズが譲歩し、春先には渋っていた7年という長期間のオファーに至ったという。

また、『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマンによれば、ノラ側も譲歩はあったようだ。ノラはフィリーズ以外の球団とも交渉しており、フィリーズより金額が高いオファーもあったものの、それを断って再契約に至ったという。フィリーズ生え抜きのノラは、今回の契約によって37歳になる2030年までフィリーズ一筋の可能性が出てきた。

熱望していたノラとの再契約に成功したデーブ・ドンブロウスキ球団社長は、以前に『MLBネットワーク』に対して「ノラと再契約できれば、ローテーションは確定」と語っていた。これが意味するところでは、ノラとの再契約に成功した今、フィリーズは噂に上っていた山本由伸の争奪戦から撤退する可能性が高いだろう。

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