〈カターレ富山・J3〉また浮上の好機逃す 2試合連続無得点

体を張ってプレーする伊藤(中央)らカターレの選手=青森県八戸市のプライフーズスタジアム

  ●「攻撃が中途半端」

 2試合連続の無得点で、またも昇格圏に浮上するチャンスを逃した。3位のカターレ富山は19日、敵地でヴァンラーレ八戸に0―1で屈した。小田切道治監督は「押し込むことはできたが、クオリティーが低くて得点に至らなかった」と唇をかんだ。J2復帰へ崖っぷちの状況ながら「ネガティブになっても意味がない」とFW吉平翼選手。選手は必死に前を向いている。

 富山は前半36分に先制点を奪われた。1点ビハインドの終盤は果敢に攻め込み、後半アディショナルタイムに途中出場のDF柳下大樹選手が立て続けにシュートを放ったが、ネットを揺らせなかった。

 シュート数は相手の3本に対し富山が7本。小田切監督が「中途半端に攻撃が終わるシーンが多かった」と悔やむ内容だった。

 2位につけている鹿児島の試合は、富山の1時間前に始まった。富山はハーフタイムの時点で鹿児島が敗れたことを確認し、指揮官の「やるしかない」との言葉通りに奮起した。

 試合終了間際まで得点を狙ったが、ゴールはならなかった。吉平選手は「最後の最後までこだわって、後悔しないようにしたい。次の宮崎戦は自分たちの人生を懸けて戦う」と言い聞かせるように語った。

 MF椎名伸志選手は「試合後、八戸まで来てくれたサポーターから前向きな言葉を掛けてもらい、下を向いていられないと思った」と口にした。悲願のJ2復帰へ。次戦は何が何でも、3試合ぶりのゴールと勝利を奪いに行く。

  ●富山空港でPV「もう一押し」

 富山空港ではパブリックビューイング(PV)が行われ、約200人が富山の勝利を信じて応援した。サポーターは悔しい敗戦に肩を落としながらも「もう一押ししたい」とJ2復帰へ気持ちを奮い立たせた。

 富山がチャンスをつくるたび、歓声が上がった。家族4人で観戦した富山市奥田小4年の米田朔英君(10)は「点が入らなかったのがすごく悔しい。次はたくさん決めてほしい」と願った。ホームで迎える今季最終戦をゴール裏で観戦する予定で、父の徳如(のりゆき)さん(41)は「選手たちと昇格を喜び合いたい」と期待を込めた。

PVで応援するサポーター=富山空港

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