「秦野の名水で日本一のどぶろくを」 NPO法人が初めて完成、26日開催の祭りでお披露目

酒米作りから始め、自前のどぶろくを完成させたNPO法人四十八瀬川自然村。小野均代表理事が丹念に仕込む=8日、秦野市大倉

 休耕田の活用など神奈川県秦野市西部で里山保全活動を続けているNPO法人四十八瀬川自然村(小野均代表理事)がどぶろくの製造許可を取得し、自前のどぶろくを初めて完成。26日には「秦野名水どぶろく祭り」を開催し、酒米から手作りした逸品をお披露目する。小野さんは「日本一のどぶろくを造って秦野の新たな魅力、名物になれば」と期待を寄せている。

 毎日、仕込んだどぶろく100リットル以上を丁寧にかき回し、醸造を促す作業に追われる小野さん。重労働だがどこか楽しげだ。「元々、里山保全活動もどぶろくを自分たちで造ることを目標にしてきた。日本一と評価された秦野の水を使えば、どぶろくも日本一になれる」。無農薬で栽培した地元産酒米を使用したどぶろくに愛情を込め、祭りでの鏡開きに備えている。

 同法人は2001年に発足。ホタルの生息環境保護や炭焼きなどの活動を続け、酒米も約2千平方メートルの水田で育ててきた。以前は酒類製造の免許がないため、酒米は市内の酒蔵に卸し、「にごり酒」として使用してきた。

 風向きが変わったのは21年。地域活性化を目指す国の構造改革特区の一つとして、豊富な湧水を誇る秦野市が「秦野名水どぶろく特区」の認定を受けた。同法人が運営する農家レストランが事業者の第一号となって設備面などの準備を進め、22年11月に税務署へ製造許可を提出。このほど念願の認可となった。

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