最大3打のリードも及ばず 畑岡奈紗「次は私が勝てるように」

最終戦で今季ベストも優勝には届かず。畑岡奈紗は未勝利でシーズンを終えた(撮影/村上航)

◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 最終日(19日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)

今季自己最高の2位フィニッシュ。畑岡奈紗の胸中では最終戦でシーズン初タイトルに届かなかった悔しさ、最後まで食らいついて戦いきれた充実感が交錯していた。

1番(パー5)のバーディ先行で単独首位に立ったものの、そこからピンチの連続。2番は砲台グリーンの左から絶妙なランニングアプローチでしのぎ、セカンドを大きく右にミスした3番の寄せも落としどころと傾斜の使い方が完ぺきだった。4番も長い距離からタップインの2パット。我慢を続け、5番(パー3)のバーディで後続に3打差をつけた。

パッティングがひと筋外れる場面も多かった(撮影/村上航)

必死に築いたリードを同じ最終組のエイミー・ヤン(韓国)にじわじわと詰められ、「後半勝負と思っていた」という折り返しの10番でティショットが右に出た。何とかパーを拾う横でバーディを奪った相手に並ばれた。11番は右ピンを攻め込むスーパーショットで再びリードを奪っても、13番パー4のイーグルでひっくり返された。

序盤のリードを生かせなかった(撮影/村上航)

14番(パー5)のバーディで追いつき、痛恨だったのは上がり3ホール。16番(パー3)で1m強のパーパットがカップに蹴られ、1打ビハインドで絶対に獲らなければいけないパー5の17番を迎えた。

17番は「最悪」の状況からうまく寄せたが…(撮影/村上航)

少しつかまって強めの球が出たセカンドは風にも流されて左奥へ。目の前の土手を上がってからピンまでの幅がなく、外しどころとしては「最悪」。それでも、ウェッジではなくアイアンを使って駆け上がらせる寄せはずっと練習していた。2mオーバーでも十分だったが、バーディトライが再びカップにきらわれてパー。勝敗を決した場面に「ひと筋入らなかったところが多かった」と唇をかむ。

最終戦2位は2度目(撮影/村上航)

1打差でコ・ジンヨン(韓国)に敗れた2年前に続く最終戦2位。通算24アンダーはこれまでの大会レコードを上回る数字であり、ところどころショットがブレてパーオン率55.56%(10/18)と苦しむ中でまとめた「69」は総合力の高さを証明するものだ。「ちょっと、及ばなかった。これでもう2位が2回目ですし、次は私が勝てるように頑張りたい」。リベンジへの誓いを胸に刻み、2023年シーズンを終えた。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)

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