1年前とは違う「新しい自分」 西郷真央は国内ツアー2位で締めて米ツアー予選会へ

来季の米ツアー出場権をかけた戦いに向けて渡米する西郷真央(撮影/大澤進二)

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(19日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆5079人)

スタート時の5打差を1打まで縮められたからこそ、西郷真央は悪天候による3日目中止の54ホール短縮を惜しんだ。時折降る雨は雹(ひょう)に近い雪へと変わり、体の芯から冷え込む天候ではあったが、「やっぱり、やりたかった」と振り返る。

出だしの1番は3パットでボギーを先行させたが、2番ですかさず獲り返すなど前半5バーディを奪取。「アイアンショットでチャンスにつけられた」とチャージをかけ、リーダーボードを一気にかけ上がった。後半は11番(パー5)をバーディとしたものの、強まり出した風により少しずつパットが狂いだしたという。13番で再び喫した3パットのボギーがブレーキとなった。

2つのボギーはいずれも3パット。風が少しの感覚のズレを生んだ(撮影/大澤進二)

「今週は月曜日にトレーニングができなかったからか、途中から足に疲れが出てきちゃって。久しぶりに疲労を感じた」。体のコンディションが整えられていなかったことを感じながらも、終盤の17番(パー5)、18番と連続バーディで締めて12アンダー。クラブハウスリーダーとして終え、後続組にプレッシャーを「かけることができた」と納得できるプレーにうなずいた。

「残念だったけど、今日のプレーとしては良かった。3パットを2回やってしまったのが(敗因の)すべてかな。いいコンディションではなかったことにも気づけたし、しっかり体を整えてQスクール(予選会)に臨みたい」と気持ちを切り替えた。来季の米ツアー出場権をかけた戦いは、11月30日からアラバマ州マグノリアグローブGCで始まる。6日間108ホールに渡る長丁場の争い。競技開始の1週前あたりに日本を離れる前に、師事する尾崎将司のもとに向かってから渡米する予定だ。

確かな自信をつけて、海を渡る(撮影/大澤進二)

「久しぶりにアイアンショットでフェードをしっかり打てたりと、球を打ち分けながらのプレーができて。Qスクールに向けて色んなものを試せた」と収穫の多かった今季国内ラストゲーム。ちょうど1年前を思い返せば、ショットの不振で苦しんでいた時期だった。前週には今季初優勝も挙げたカムバックについて、「調子がよかったときに戻れたというよりは、新しい自分になれた」。苦境を乗り越えた先の成長を実感して、海を渡る。(松山市/石井操)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン