フィリーズがノラと大型契約 FAの先発投手市場に与える影響は?

日本時間11月20日、今オフのFA市場における最初の大きな動きがあった。フィリーズが自軍からFAとなった先発右腕アーロン・ノラと7年1億7200万ドルの大型契約で再契約を結んだのだ。7年という契約期間はともかく、年平均2457万ドルという金額は、各メディアのFA予想とほぼ一致。しかし、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者はノラに対して他球団からより高額なオファーがあったことを伝えている。フィリーズとノラの契約は、FAの先発投手市場にどのような影響を与えるのだろうか。

MLB公式サイトは「ノラに対してより高額なオファーがあったという報道は、ブレイク・スネル、山本由伸、ジョーダン・モンゴメリー、ソニー・グレイといったFA市場にいる先発投手たちの笑顔を誘うだろう」と指摘。「彼らにとって、ノラの7年1億7200万ドルという契約は、エース級の先発投手の基準値を決めたに過ぎないからだ」との見解を示した。つまり、今後は「ノラと比べて魅力的な選手か」という比較をしたうえで、7年1億7200万ドルを基準として各投手に値段が付けられていくことになる。よって、「ノラより上」という評価を得た投手には総額2億ドルを超える契約が与えられることになるだろう。

米スポーツ専門チャンネル「ESPN」の看板記者であるジェフ・パッサン氏によると、フィリーズがノラとの再契約を実現するうえで「最大の脅威」となっていたのは、同地区ライバルのブレーブスだったという。ノラとフィリーズの希望額には大きな開きがあることが報じられていたが、ブレーブスにノラを奪われないために、フィリーズは条件を引き上げざるを得なかったのだろう。

一方、今オフ大型補強に動くことが予想されているブレーブスは、補強ターゲットの1人だったノラの獲得に失敗。今後はスネル、山本、モンゴメリー、グレイといった他の有力投手たちがターゲットになる。また、今オフはブレーブス以外にも先発投手の補強を狙っているチームが多く、ノラの再契約は選択肢が1つ減ったことを意味する。上質な先発投手を確保するために、各チームの動きが激しくなっていくことが予想される。

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