ロックポート「トータルモーション リンクス」を試し履き 米国老舗革靴ブランドの実力は!?

ロックポート「トータルモーション リンクス」(撮影/有原裕晶)

シューズマニア室井、セールスプランナー塩田、編集部柴田のGDO社員トリオが、新作シューズをゴルフ場で試履き&品評する風物詩的な企画(2023年秋冬モデル編)。今回はロックポート「トータルモーション リンクス レース トゥ トゥ」をPick Up!

今年からゴルフに参入「ロックポート」って?

カラーはホワイトのほかにブラックとネイビーを用意(撮影/有原裕晶)

【塩田】
今年ゴルフに参入してきた、1971年米国ボストン生まれのシューズメーカー「ロックポート」です。今作は、歩行性能と、ハイグレードなゴルフ場やクラブハウスに馴染みやすいデザインが特徴だと思います。

【室井】
ロックポートは、サラリーマンに支持される歩きやすいシューズというイメージが強かったです。こちらはすごく上品な感じの仕上がりですね。

【塩田】
メーカーとしても、ゴルフシューズでもビジネススタイルを推しているようです。これを履いて自宅からゴルフ場まで行き、プレーをして帰ってくるという流れを完結できる靴というコンセプトになっています。

【柴田】
その手のコンセプトはスニーカータイプではよくありますが、クラシックタイプでは珍しいですね。

最大の特長は歩行性能

ウォーキングシューズにも使用しているミッドソールと衝撃吸収素材を採用(撮影/有原裕晶)

【柴田】
私はロックポートにはウォーキングシューズのイメージを抱いていました。このシューズも見た目がフォーマルの割にすごく歩きやすくて、いい意味でのギャップがありました。

【塩田】
インソールに特徴があるように感じました。足裏の形に沿ってフィットするような作りで、さらにヒール部分には衝撃吸収素材が内蔵されているそうで、とても歩きやすかったです。一方で、グリップ力やホールド感が、ゴルフシューズとしてはちょっと物足りないかなというのが正直な感想です。

ゴルフシーンに多い悩みを解消しパフォーマンスアップをサポートする(撮影/有原裕晶)

【室井】
ソールも高さはそれなりにありますし、重さもそれなり(約420g/27cm)にありますが、たしかに歩きやすいですね。

【柴田】
ミッドソールはクッション性はありますが、ちょっと硬めの作りですよね。

【塩田】
一枚のプレート(サーモプラスチックウレタン)が挿入された構造になっているので屈曲性というよりは、反発性能に長けるタイプですね。

上品なクラシックスタイルデザイン

ティショットでも安定したグリップ力(撮影/有原裕晶)

【柴田】
会社に履いて行っても違和感がないぐらいなので、ゴルフシューズとしては落ち着いたデザインです。つま先から甲にかけての曲線がなだらかでシルエットも上品です。これなら仕事中に突然ゴルフに行かなきゃいけない状況になっても問題なさそうです。

【塩田】
そんな状況ありますかね(笑)。いや、でも本当にゴルフでもオフィスでも使えるハイブリッドシューズだと思います。

【室井】
この細くて尖ったトウが特徴的ですが、そこが正直、ゴルフウェアには合わせづらそう。このシューズを履くなら、パンツもピシッとしたものにしないとって感じがします。

【塩田】
確かに背筋もピシッとしますね。

ヒール部に内蔵された独自の衝撃吸収素材で、接地時におけるかかとへの衝撃を軽減させる(撮影/有原裕晶)

【柴田】
ストレートチップのシューズもあるようですが、クラシックスタイルでは定番のウイングチップモデルも合いそうですね。

【塩田】
はい。今作のデザインがちょっと物足りないという方は、よりクラシックなモデルも展開していますので、そちらを選んでもいいですね。

アッパーは牛革で防水仕様

アッパー素材は上質な天然牛皮革(撮影/有原裕晶)

【室井】
このカウレザーの質感はいいですね。

【塩田】
防水仕様になっていますので、雨の日でも問題なさそうです。

【柴田】
アッパーは柔らかくて気持ちいいですね。また、レースタイプは自分の足の形に合わせて締め上げていけるので、心地よいフィット感があります。

サイズ感は「いつも通り」or「0.5cmダウン」で

NZ95105(撮影/有原裕晶)

【柴田】
サイズ感は普通でしたね。いつも通りのサイズを選んで問題ないと思います。

【塩田】
私もいつも通りの26cmでした。

【室井】
私は0.5㎝ダウンの25cmにしました。

伸びしろ満点。今後への期待が膨らむ…

足への負担や疲労を軽減することでパフォーマンスアップに貢献(撮影/有原裕晶)

【柴田】
メーカーとしては、クラシックな方向に思いっきり舵を切るのか、ゴルフシューズの機能性をどの程度足していくのか…、今後が楽しみですね。

【塩田】
まだゴルフに参入したばかりなので、どういう方向に向かうのか注目したいブランドです。

タウンユースでも活躍しそうなシンプルなデザイン(撮影/有原裕晶)

【室井】
このクセのなさがいいところかもしれないですが、何か一つ特徴を持つと面白さも出るかな。

【塩田】
たしかに現状は遊び心は感じないかもしれないですが、個人的にはこのブランドが遊び過ぎるのも違うのかなと。ほんのちょっとデザインを変えて、色味を持たせるぐらいでもいいと思います。

3人の評価はいかに?

ロックポート「トータルモーション リンクス」3人の評価は?(撮影/有原裕晶)

【室井】
他のメーカーを真似ずに独自の色を出していってほしいです。

【柴田】
たしかにロゴやアイコンがなくても、ロックポートの靴だねってわかるような個性があるといいですね。

【室井】
また、いくつかモデルを展開していく中で、今作のようにジャケットスタイルに合うようなものと、もう少しカジュアルな路線とで幅をつけてもいいのかなって思います。

【塩田】
今後の期待が高まりますね。

【動画】2023年秋冬モデル・話題の9機種を試し履き&勝手に採点!

製品スペック

●締め付けタイプ=紐タイプ
●素材=アッパー:天然皮革、メンブレン防水フィルム/ソール:EVA、ラバー
●重さ=約420g(片足/27cm)
●サイズ=25.0cm~28.0cm(0.5cm刻み)
●幅=Wide(EE-EEE)
●鋲タイプ=スパイクレス
●防水性能=メンブレンフィルム

防水加工されたレザーに加え、防水性と透湿性を備えたメンブレンフィルムをシューズ全体に採用(撮影/有原裕晶)
ミッドソールには形状記憶性と反発性、適度な弾力を備えたサーモプラスチックウレタンのプレートを挿入(撮影/有原裕晶)
ゴルフスイングと歩行の運動力学を元にデザインされたアウトソールパターン(撮影/有原裕晶)
衝撃吸収クッション材を入れる事により、ヒールを衝撃から守り着地安定性を高める(撮影/有原裕晶)
ウォータープルーフレザーと防水加工を施した縫い目(撮影/有原裕晶)

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