西大寺会陽 4年ぶり宝木戦実施へ コロナ禍前の形式に完全復活

2020年に行われた西大寺会陽の宝木争奪戦。来年2月に4年ぶりに復活する

 西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)を舞台に繰り広げられる裸祭り「西大寺会陽」(国重要無形民俗文化財)の奉賛会は20日、来年2月17日の会陽について、裸衆の宝木(しんぎ)争奪戦を4年ぶりに行うと発表した。新型コロナウイルス禍前の形式にし、完全復活させる。

 コロナ禍の2021年は500年余りの歴史上初めて争奪戦を見送り、儀式で福男を選定。22年も無観客で儀式のみ行った。23年は裸衆が境内を練り歩く「地押し」を再開して観客も入れるなど、コロナの流行状況を考慮しながら段階的に従来の姿に戻してきた。

 奉賛会によると、次回の祝い主は今年創立110周年のおかやま信用金庫(同市北区柳町)、来年創業170周年となる菅公学生服(同駅元町)。おかやま信金は13年以来3回目、菅公学生服は初めて。祝い主は宝木を獲得した福男に賞金を贈り、宝木を作る道具を磨く「会陽事始め」といった関連行事に立ち会う。

 当日は午後10時に宝木を投下。日中に行う「少年はだか祭り」も20年以来の復活となる。市内で記者会見した奉賛会の大森実会長は「4年ぶりの争奪戦で初参加の人も多いのでは。飲酒や争奪戦の圧迫対策といった参加者の安全確保をしっかり行いたい」と述べた。

 日本三大奇祭の一つとして知られる西大寺会陽は室町時代の1510年に始まったとされ、毎年2月の第3土曜日に開かれる。コロナ禍前の20年は約1万人(主催者発表)が参加した。

記者会見する西大寺会陽奉賛会の大森会長(右)と岡山商工会議所の松田会頭

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