忍者道具の常設展示、日本一。ここでしか体験できない忍者テーマパーク。

にんぱくの忍者の道具が教えてくれること

忍者は超人的な戦士だけではない

手裏剣だけが、忍者の道具ではない。にんぱく展示物、例えば「仕込み杖」は旅人に身を隠した忍者が全国の山野を歩き、敵状を探るために重要な道具。杖を同じ間隔とリズムで突きながら歩く。鍛え抜かれている忍者は、一歩一歩の踏み込み幅はどこを歩いてもどんなに長く歩いても一定。その歩みに合わせて般若心経を唱えながら歩く。一回唱えるごとの歩数は忍者ごとに決めている。一回唱え終われば数珠の球を一つ送る。数珠がひと回りすると108回唱えたことになり、1回あたりの歩数を唱えた回数と歩幅により、歩いた距離が導き出される。すなわち行ったことのない土地でも、自分の城からの距離がわかる。道中で敵や賊に襲撃された時には隠してある鎖分銅などで応戦。しかし戦うことは目的でない。同じくにんぱくで展示している「目潰し」「角手」「撒菱」などの数々の道具を駆使して遁走し、調べ上げた情報を自領に生きて持ち帰ることこそが仕事なのだ。だから手裏剣を何枚も撃って戦ったり、高いところへ飛び上がったり、風のように早く走ったりというイメージとは違う本物の忍者の姿を学ことができる。いかに目立たず、社会に紛れ込んで、密かに情報を掴んで、いかに手際よく逃げ、生きてボスに情報を渡す。そのために必要なこと、例えば「言語」「方言」「文字知識」「文化教養」「薬学・医学」「芸能」「政治経済知識」、そして生き延びるための能力などを身につけているインテリジェンスだった。にんぱくで展示している文化財から、本当の忍者の姿、人間の叡智、日本の文化が見えてきます。

ここに忍者がいた証明

にんぱく展示物は日本一の忍者道具の蒐集家・山岸賢司氏が50年の歳月をかけて全国から集めたもの。多くはにんぱくのある吾妻のものではありません。しかし、ここ吾妻で見つかった忍者道具もあります。「目潰し」や「登器」「棒手裏剣」「折りたたみ式手裏剣」などです。岩櫃城にいた戦国真田氏の忍者たちが実用的な道具として使ったものです。

影が光を呼ぶー。

にんぱくは、本物の忍者文化、ご当地・吾妻の吾妻真田忍者の歴史文化を掘り起こし、現在に蘇らせました。400年間もの長い間、闇の中に消えていた彼らの展示物から忍者の実像に迫り、戦争とな何か、平和とは何かを考え、混沌とした現代を生き残る術「光」を学ぶ、そんな博物館です。

© 株式会社MATCHA