山下洋輔さん「ひじ打ち奏法」で花添える 世界的ジャズピアニストが赤れんが博物館の30周年祝う

シンポジウムで対談する山下洋輔さん(左)と馬場英男さん=舞鶴市北吸・舞鶴赤れんがパーク2号棟

 赤れんが博物館(京都府舞鶴市)の開館30周年を記念したシンポジウムが19日、同市の舞鶴赤れんがパーク2号棟であった。舞鶴や赤れんがとゆかりのある世界的ジャズピアニスト山下洋輔さん(81)が登壇し、対談や演奏で会場を沸かせた。

 1993年に開館した赤れんが博物館は、旧海軍の赤れんが倉庫群を活用して誕生した最初の施設。山下さんは同倉庫群で91~2010年に開催された「舞鶴赤煉瓦(れんが)ジャズ祭」に初回を含め計7回出演し、赤れんがのまち・舞鶴の発信に大きな貢献を果たした。

 シンポでは、赤れんがによるまちおこしに長年取り組んできた市民団体「赤煉瓦倶楽部舞鶴」元理事長の馬場英男さん(78)と対談。馬場さんがコンサートで福井県小浜市にいた山下さんにジャズ祭への出演を直談判したエピソードを紹介すると、司法省(現法務省)職員の祖父が赤れんがで近代的な監獄を設計したという山下さんは「赤れんがの中でやると言われ、一も二もなく(出演を)承知しました」と振り返った。

 演奏になると、オリジナル曲やジャズの名曲を力強い鍵盤さばきで披露。代名詞であるひじ打ち奏法も飛び出し、来場した市民約150人を魅了した。

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