潮岬灯台150周年 灯室を特別公開、本州最南端の和歌山県串本町

職員から説明を受けて照明機器を眺める参加者(和歌山県串本町潮岬で)

 田辺海上保安部(和歌山県田辺市)は11日、点灯150周年を迎えた記念イベントとして潮岬灯台(串本町潮岬)の特別公開をした。抽選で選ばれた約50人が、普段入室できない照明機器がある「灯室」を見学し、灯台の魅力に触れた。日没後にはイルミネーションの点灯もあった。

 潮岬灯台は日本初の洋式木造灯台として1870(明治3)年6月10日に仮点灯、73(同6)年9月に正式点灯した。

 来場者は、狭い階段を上って直径1.2メートルもある回転灯が設置されている灯室へと向かった。灯室では、田辺海保の職員から1500ワットのハロゲン電球が使われ約35キロ先まで届くことや、今ある装置は1984(昭和59)年に設置され、今月中に発光ダイオード(LED)の灯器に交換されることなどの説明を受けた。

 灯室は地上から約20メートルの高さにあり、参加者は窓から望む太平洋の景色も楽しんだ。新宮市から夫婦で参加した岡本敦司さん(62)は「灯台に上るのも初めてで感動した。このレンズの最後を見られてよかった。本州最南端の景色も最高だった」と喜んだ。

 午後5時からは灯台や植木などに取り付けられた赤や青など色とりどりのイルミネーションが点灯され、来場者を楽しませた。

イルミネーションで飾られた潮岬灯台(和歌山県串本町潮岬で)

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