「こども歌舞伎」など 気迫の演技におひねり飛ぶ 「胸が熱くなった」/岡山・奈義町

岡山県勝田郡奈義町に江戸時代から伝わる「横仙歌舞伎」(県重要無形民俗文化財)の四季の公演「秋」(町、町教委主催)が18、19の両日、奈義町文化センターで開かれ、詰めかけた多くのファンらが地下(じげ)芝居の魅力を堪能した。

横仙歌舞伎保存会、横仙こども歌舞伎教室、中島東松神座といった町内の団体や、美作市の粟井春日歌舞伎保存会などが出演し、気迫のこもった演技が会場を沸かせた。

18日の横仙こども歌舞伎は、黒衣を含め小学1年から中学3年まで13人が、歌舞伎の三大狂言の一つ、「菅原伝授手習鑑吉田社車曳」の一幕を上演。稽古の成果を発揮して長ぜりふを発したり、見えを切ったりと、客席から大きな拍手が送られ、おひねりが飛んだ。

また、フリーアナウンサーの葛西聖司さんによる「歌舞伎を100倍楽しむために」と題した講演もあった。

大阪府豊中市から夫婦で訪れた藤田則充さん(82)は「子どもたちの精いっぱいの演技や声に胸が熱くなった。町として歌舞伎を守る取り組みも素晴らしく、来年も公演に来てみたい」と話していた。

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