【Stat Leaders③(首位打者)】レギュラーシーズン最終戦の逆転決着と史上初の快挙

今季の首位打者は両リーグとも劇的なタイトル争いとなった。ア・リーグはレギュラーシーズンの最終戦で逆転決着するという劇的な形でタイトルが決定し、ナ・リーグは2022年のア・リーグ首位打者が82年ぶりとなる打率4割に挑んだ。

ア・リーグのタイトル争いはシーズン161試合が終了した時点で、打率.3298のコリー・シーガー(レンジャーズ)がトップに立っていた。2位には.3295のヤンディ・ディアス(レイズ)がつけていたが、その差はわずかに3毛。そして、最終戦の出来が明暗を分けた。

シーガーは4月に左ハムストリングを痛め、早々に戦線離脱。7月には右手の親指を痛め、2度目の故障者リスト(IL)入りとなったが、その時点での打率は.350を記録していた。8月の復帰以降も高打率をキープし、日本時間9月2日に規定打席に到達した際には、打率.345でそれまでトップだったディアスの.324を大きく上回っていた。

その後もトップの座を譲らなかったシーガーだったが、9月は.277と打率が伸びなかったのに対し、ディアスは.345と好調で、その差をじわじわと詰めていた。そして運命の最終戦。レンジャーズの地区優勝がかかる試合で、シーガーは「2番・遊撃」でスタメン出場。ディアスは先発メンバーから外れたため、シーガーの結果次第となったが、ここでシーガーがまさかの4打数無安打、チームもマリナーズに0対1で敗れ、シーガーにとってはタイトルと地区優勝の両方を逃す悪夢の試合となった。その結果、ディアスはレギュラーシーズン最終日にトップを奪還し、首位打者に輝いた。

最終戦で悔しい思いをしたシーガーとレンジャーズだったが、その後のポストシーズンでの快進撃は今さら説明の必要もないだろう。球団史上初のワールドチャンピオンに輝いたレンジャーズを引っ張り、ワールドシリーズMVPに輝いたのは、レギュラーシーズン最終戦で悔しい思いをしたシーガーだった。

メジャー7年目のディアスは、今季オールスター・ゲームにも選ばれるなど飛躍のシーズンを過ごし、初のタイトルを獲得。一塁手部門でシルバースラッガー賞も受賞した。

一方のナ・リーグは、2022年にツインズで首位打者(打率.334)を獲得し、今季からマーリンズに移籍したルイス・アライズがリーグを跨いで2年連続の首位打者に輝いた。アライズは今季の開幕から打ちまくり、4月末時点で.438というハイアベレージをマーク。1941年にテッド・ウィリアムス(レッドソックス)が記録して以来となる夢の4割打者の誕生にも注目が集まっていた。

結局、最終打率は.354にとどまったが、2位に1分7厘の大差をつけて2年連続でタイトルを獲得。2年連続のタイトル獲得は珍しくないが、異なるリーグでの2年連続首位打者はメジャー史上初の快挙となった。

日本人選手では、エンゼルスの大谷翔平がリーグ4位の打率.304と好成績をマーク。レッドソックスの吉田正尚もルーキーながら打率.289と健闘した。来季は2年目を迎え、さらなる適応が期待される吉田。そして、打者に専念する大谷も首位打者候補の1人であることは間違いない。来季の首位打者は一体誰になるのだろうか。今から楽しみだ。

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