2021年の衆議院選挙で公示前に選挙運動を行ったとして、公職選挙法違反の罪に問われた元衆議院議員の前川清成被告の上告審判決が20日開かれ、最高裁判所は前川被告の上告を棄却し、有罪判決が確定しました。
前川被告は2021年の衆議院選挙で、奈良1区から日本維新の会の公認候補として立候補し、比例で復活当選しました。しかし、この際、公示前に選挙への協力を呼びかける文書などを、母校の関西大学の卒業生ら35カ所に送ったとされています。送付先が支援者であれば事前運動にあたらず準備行為であるとして合法とされますが、ことし1月の奈良地裁の判決では「支援が期待できる集団とは言えず、事前運動にあたる」として罰金30万円の有罪判決を言い渡しました。
7月の控訴審判決でも大阪高裁は1審・奈良地裁を支持し、前川被告の控訴を棄却していました。20日開かれた上告審判決で、最高裁第2小法廷の三浦守裁判長は前川被告の上告を棄却しました。
これにより1審・奈良地裁の罰金30万円の有罪判決が確定し、これに伴い原則5年間、公民権が停止されます。なお前川被告はことし10月に衆議院議員を辞職しています。
なお無罪を主張していた前川被告は判決を受けて、
「最高裁が『政治家としての死刑判決』に真剣に向き合ってくれたのか、疑問を抱かざるを得ません。最高裁の良識に期待しておりましたので、何ら理由を示すことない『三行半(みくだりはん)』のような判決文には残念この上ありません。これからの生涯は、今の私同様に、理不尽に苦しむ人たちに寄り添い、弁護士として正義を取り戻すことに捧げたいと思っています」
とコメントしています。
