袴田さん再審「捏造は非現実的」 5点の衣類、検察側が反論

支援者と日課の散歩に出かける袴田巌さん=20日午後、浜松市

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審第3回公判は、20日午後も静岡地裁(国井恒志裁判長)で続いた。検察側は、確定判決が犯行着衣と認定した「5点の衣類」に捜査機関の捏造があったとする弁護側の主張は「非現実的で実行が不可能」と反論した。

 検察側は、袴田さんが事件前に着ていた衣類と酷似した服を用意するのは困難と指摘。5点の衣類はみそ工場のタンクから見つかったが、捜査機関が隠すことができるとすれば、従業員がタンクからみそを本格的に取り出し始めてからの期間に限定され、入れるのは難しいと主張した。

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