小田原市、パワハラ「未解決」149件 10年以上セクハラ被害放置も

小田原市が3年間、処分を放置していたパワハラ事案の内部書類。神奈川新聞社の情報公開請求に対して市側は被害内容など、ほぼ全ての情報を非開示とした

 部下にパワーハラスメントを繰り返したとされる職員への処分を小田原市が3年以上放置していた問題を巡り、職員を対象に2022年に行われたアンケートで「窓口などに相談してもハラスメントが解決しない」とする訴えが149件に上ることが20日、関係者の話で分かった。回答者のうち、4割が今までに職場でハラスメントを経験し、1割が今も被害に苦しむ。過去には10年以上もセクハラ行為が放置されたケースもあり、被害者の訴えにも「腰の重い」市の対応が改めて浮き彫りになった。

 市では22年に教育部の男性職員が複数の女性職員に抱きつくなどして停職(2カ月)処分となった。発覚の1年前に被害者の1人が上司に相談していたにもかかわらず十分に対応されなかった。その後、別の女性職員の被害調査から男性が10年以上にわたって職場でセクハラ行為を繰り返していたことが判明した。

 市は不祥事を受け同年に全職員を対象にハラスメントの実態調査のアンケートを実施。回答した1791人のうち43%が過去と現在に「ハラスメントを受けたり、他の職員の被害を見聞きしたりした」と答えた。複数回答で9割がパワハラ、3割がセクハラの被害だった。

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